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特定非営利活動法人 NPO境界問題を考える会

東京都

土地の境界についての正しい知識を広める

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 NPO境界問題を考える会

特定非営利活動法人 NPO境界問題を考える会の写真

活動エリア 滋賀県大津市
ジャンル まちづくり 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

土地の境界(所有権の範囲)についての講習会を開いたり、境界問題の相談に応じたりしています。

この活動について教えて下さい

土地の境界(所有権の範囲)について正しい知識を身につけていただくため、無料の講習会を開いています。参加者は、匿名で参加できます。また、関連することで自分が疑問に思っている事を講習会の最中でも随時質問する事ができます。質問に対しては、講師として招聘している土地家屋調査士が可能な限り回答いたします。(不特定多数の方を前に、専門職が責任もって可能な限り質問にお答えするということは、「党派性を持たずに公平・公正な真実を公然と公開している。」という事で、皆さんの信頼に大きく応えています。)

また、講習会では満足できず、個別の具体的な相談にのって欲しいといわれる方には、“境界問題解決指導委員”(講習会の優良参加者、レポートによる選考者、一般人)がお力を添えます。(ケースバイケースですが、プロボノと連携して解決にあたる場合もあります。)

どうしてこの活動をはじめたんですか?

現在、代表を務めている谷口暁美は、本団体の発起人でもあります。谷口暁美は、土地家屋調査士を夫に持ち、平成14年から夫の補助者として業務に従事するようになります。谷口暁美は、業務の傍ら、一般人がいかに土地境界について正しい知識を備えておらず、その事が原因で土地境界をめぐるトラブルが絶えず、また、複雑化していっているという事を目の当たりにする事となります。

相続発生によって放置される空き家の問題、公図内包括表示や公図混乱によって筆界確認ができない問題、土地の不動産価値に対する誤った考え方。多くの土地境界の問題は、正しい知識によってどんどん減らすことができます。

ところが、一般国民には、その知識が欠如しています。その上外国人による土地買収の問題も出てきました。日本人ですら、土地境界についての知識を正しく身に着けていないというのでは、土地所有者となって外国人と日本人の地権者が隣接してトラブルとなるのは、目に見えています。

いろいろな機関、専門家も境界問題に対応する窓口を開設していますが、決定的打開策を示すことができていません。その理由は、相談の前提となっている意識が「自分の利益をどうすれば確保できるかという期待」に他ならず、お金を出しても自分の思うような境界を得られるわけでは無いと気づくと、利害しか考えない人は離れていってしまうのです。

結局のところ必要なのは、「窓口」ではなく、当事者の「真実を追求する意思 と発露」だということです。

そこで、自ら土地境界について学ぶことの必要性を感じた人々に正しい知識を伝播するための学びの場の提供を思い立ち、有志とともに立ち上げたのがこの会です。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

もちろん、「この活動を通して学んだことが役立って、境界の問題が全面的に解決できた」と聞いたときはうれしいものです。でも、いくら知識を蓄えても、他の要因によって(他の地権者が不理解・公図訂正など自分ひとりではできないこと、など)問題が解決できないときもあります。それでも、何が原因なのか、どうすれば解決するのか、どのようにあるべきなのか、といった事がすべて明確となれば、人は、苦しまずに済むものです。
 

ある方の例です。
最初に相談を受けた時は、真っ赤な目で、震える声で隣接者の乱暴な仕打ちを訴えて相談に来たのですが、自分の土地が公図内包括表示である事がわかった時には、
「この事が原因で、お隣りは、きっと建替えのときに境界確認ができず、苦労されたのでしょう。うちの土地の公図内包括表示を解決するには、同じ包括表示土地の地権者が高齢すぎてとても理解できるように説明する自信がありません。でも、いつか将来必ずこのことは、再び問題となると思うので、その時にはきっと解決します。代替わりしていても大丈夫なように、娘さんにも説明しておこうと思います。」
と、言って帰られた時の表情は、さっぱりとして落ち着いていました。

華々しい成果ばかりではないけれど、土地境界の問題の中でもがき苦しんでいた人が、霧が晴れたかのように境界の謎が解けて落ち着いた様子を見る時にも、私は、「良かったな。もっと頑張ろう。」と思うのです。

今後の夢と目標を教えてください

日本で今に引き継がれる土地に対する私的所有権の出発点は、明治政府の地租改正です。いろいろな制度やしくみがその都度、手入れされながら今日にまで引き継がれてきたわけですが、国(明治政府)は地租を金納制にし、財政基盤確立のために地租改正を行ったのですから、その後の制度の改良も、まずは、いかにすれば地租を公正に精密に徴収することができるか、という事が基準となっています。

国民にとっての財産権からの目線は欠如しています。しかし、経済の基盤はやっぱり土地。何しろ銀行に融資を受ける時にも土地が担保となるのですから…。そこで、国民の財産を守るという目線から土地制度、不動産登記法などを見直すことも必要でしょう。もちろん、国民の声で…。

当会の勉強会を続け、土地境界のあるべき姿、保管の方法 などについても行政に改善を求めたり、その方法を提案できる人材を、不動産関係者や学者、専門家からではなく、一般国民の中から育ててゆきたいと思っています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

取材者のコメント
古川勇樹 普段の生活の中で、土地の境界線について関心を持つことは、専門家や仕事としている人でなければ、あまり多くはないだろう。土地を所有していない人ならば、さらに興味を持つ機会は少ないのではないだろうか。それは、土地の所有や賃貸に伴う手続や管理が煩雑で難解というイメージがあるからかもしれない。だが、土地を財産という視点で考えてみると、大切な財産だからこそしっかり管理するべきであり、財産権という権利を持つ国民の一人として、自分や他の関係主体がどのような権利を持ちうるのか、知っておきたいという気持ちになった。
団体・プロジェクトの概要
代表者 谷口 暁美
住所 滋賀県大津市中央三丁目3番19号
TEL/FAX TEL 077-527-9680   FAX 077-525-3598
お問い合せ npo_kyoukai@yhaoo.co.jp
URL http://www.geocities.jp/npo_kyoukai/