特定非営利活動法人サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES

この活動について教えて下さい

当法人では、主に以下の3つを事業領域として、研究者のノウハウと教育現場の実践的なノウハウを活かしながら活動しています。　・オンライン教育手法・技術の研究開発　・オンライン教育の環境整備　・オープンエデュケーションの推進

その中で現在、特に力を入れている事業の一つにCHiLO(チロ)があります。CHiLOは、これまでのeラーニングの課題を解決する電子書籍「CHiLO Book」をコアとする新しいラーニングシステムです。CHiLO Bookは、レクチャービデオによる学習、確認テスト、学習成果を証明するデジタルバッジの発行、学習者コミュニティなど、学習に必要な教材や環境を電子書籍という形でパッケージして提供しています。

従来、学習者は開講期間や教材、課題の締切などに縛られて学習を進める必要がありましたが、CHiLO Bookをスマートフォンやタブレットにダウンロードすれば、いつでもどこでも小さな空き時間でも、学習することができるようになります。

現在CHiLOは、日本の大規模オープンオンラインコースであるJMOOC公式プラットフォームの一つ、OUJ-MOOCでも利用され、国内外問わず、多くの学習者に使用されています。また、より多くの方々にCHiLOでの学習機会を提供するため、関連システムをオープンソース、あるいは無料で公開しています。

どうしてこの活動をはじめたんですか？

1996年、教育熱心な大学教員が集まり、高等教育の教育内容の公開や大学連携による教育の質向上を目指すプロジェクトが、草の根的に始まったことがきっかけです。eラーニングシステムを利用する大学や教職員個人では解決できない問題に対応し、他の多くの教育関係者、教育機関、関連する企業・行政関係者との協力や連携を行うことで、教育関係者を中心としたコミュニティを形成するために設立しました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

知識が学習者に移転され、その学習者が社会に対して知識を使い、そして社会がまた新しい知識を生んでいくという、共有の上で成り立つ知のサイクルを目指しています。昨年、OUJ-MOOC にCHiLO Bookが採用されたことは大きなきっかけになりました。今後、さらにコンテンツを増やし、より多くの学習者に使用していただくことで、知のサイクルの構築を目指していきたいと思っています。

今後の夢と目標を教えてください

「学校のためではなく人生のために学ぶ」という、ローマ時代の格言があります。しっかりとした学問に基づく知識と教養は、様々な機会と可能性を生み出し、私たちの人生を豊かに、そして自由にします。高等教育を公開することでそのような質の高い知識と教養を誰もが、望めば手に入れる事ができる社会を目指しています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

オンライン教育やデジタル教材は、世界中から注目をされている分野です。教育コストの削減、個人の能力とペースに合わせた学習、教育機会の拡大の手段として、様々な国と地域で取組まれています。そのような状況の中、今後の高等教育においてどのような役割を担い実現していくことができるか、身近に感じ考えながら、日々活動をしています。