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特定非営利活動法人マインドフルネス総合研究所

東京都

独自の心理療法でうつ病や不安症を治療

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人マインドフルネス総合研究所

特定非営利活動法人マインドフルネス総合研究所の写真

活動エリア 埼玉県
ジャンル 医療・福祉 

主な受賞歴や実績

1993年から会社に勤務しながら、週末に個人のボランティア活動としてうつ病の改善支援をする活動を開始。定年退職後、任意団体を設立して活動し、2009年に特定非営利活動法人になる。薬物療法で治らない人をマインドフルネス心理療法(SIMT)で改善する支援を継続。最近は、カウンセリング、うつ病や自殺予防についてホームページでの啓蒙や講演、うつ病予防のマインドフルネス心の健康体操を行っている。

2009年から2014年まで、毎年SIMTのカウンセラー育成講座を開催。2014年石巻講座以後は、日本マインドフルネス精神療法協会に移管。2014年に、被災地の宮城県石巻で、カウンセリングとカウンセラー育成講座。

この20年の活動を通じて、2つの書籍が出版されている。
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』(佼成出版社)
『マインドフルネス入門』(清流出版)

SIMT:Self Insight Meditation Therapy(自己洞察瞑想療法)。マインドフルネスは、アメリカで開発されたものが日本でも導入されている例が多いのですが、SIMTは代表が開発した日本独自の心理療法で、うつ病、不安症/不安障害、過食症などの改善や予防に効果があります。数県のSIMTカウンセラーでも改善事例が続出して、改善効果が確認されています。

この活動について教えて下さい

心理的ストレス、仕事や身体の病気で悩みすぎるとうつ病になります。うつ病が治らないと自殺のリスクがあります。不安症も治らないと、うつ病から自殺へのリスクがあります。うつ病には薬物療法がありますが、薬物療法だけでは完治しない人も多くて、毎年2万5千人前後の方が自殺なさっています。特に、高齢になると、がんやその他の病気、介護状態、配偶者の死亡などの大きな悩みが生じて、うつ病になりやすいです。

うつ病や不安症などが薬物療法や他のカウンセリングでも治らなかった人でも、このマインドフルネス心理療法(SIMT)で治る人がいます。治りにくい非定型うつ病でさえもSIMTで完治する例が多くなってきました。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社交不安症、パニック症などの不安症も改善します。過食症にも効果があります。長引く痛みの克服の体験も報告してくれる例が出てきました。

日本独自のマインドフルネス心理療法で、うつ病、不安症などの改善のための支援をして、自殺防止のお役に立ちたいという活動です。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

きっかけは、代表が30年ほど前に、会社に勤務しているうちに、うつ病になったこと、坐禅によって完治したことです。以来、自分の経験から宗教色をなくして坐禅に似た呼吸法で、うつ病を治せると確信して、個人的にボランティアでうつ病の改善支援を始めました。うつ病の人は、無職退職に追い込まれている人が多いので、なるべく安い費用で心理療法を提供したいというのが方針でした。

支援活動を始めて、うつ病の現状を知って驚きました。薬物療法で完治せず、再発する人、自殺する人が多いという実態でした。効果ある改善方法を開発したいと思いました。

試行錯誤で改善支援の方法を洗練させていって、うつ病や不安症が治ることが確認できる方法にまでこぎつけました。他の人もカウンセラーになれるためには、支援方法の定型化と理論の明確さが必要でした。しっかりした理論がなければカウンセラーの独断がはいりがちになります。西田哲学と脳科学を理論的支えにして、自己洞察瞑想療法(SIMT)としてまとめました。この手法で、カウンセラーの育成に努めてきました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

何年も治らなかったうつ病(特に非定型うつ病)、自殺のおそれがあった人がこの心理療法で治った、家事ができるようになった、電車に乗れた、復帰できた、就職できたという喜びのしらせを受けた時には、遣り甲斐を感じます。長い苦しみから解放されて、家族や社会のために貢献してくださるわけで、とても喜びを感じます。

今後の夢と目標を教えてください

うつ病が治らないで、自殺していく悲しい現実があります。このマインドフルネスSIMTも、ようやく全国的な雑誌でもとりあげられて、少しずつ知られ始めました。うつ病による自殺が多い日本で、うつ病の改善に確かな効果が見られるマインドフルネス心理療法の全国的普及は、これからです。

自殺のリスクのあるうつ病の患者(クライエント)の方が改善するための支援は最低1年もかかる骨のおれる活動です。この活動に社会的な意義があると確信しますので、この活動を全国の人に引き継いでもらう仕組みづくりが目標です。全国の都道府県にSIMTのカウンセラーがいてほしいですが、まだ、数県にとどまっています。この輪をもっと全国に広げたいものです。

さらに、SIMTカウンセラーは骨の折れる仕事ですから、カウンセラーにはある程度の報酬を得られる仕組みを作りたいです。一方、クライエントの方は割安の費用で、SIMTカウンセリングを受けられる仕組みを作りたい。多分、企業、一般からの寄付金や助成制度の活用も考慮させていただかねばならないでしょう。

こうして、うつ病を改善して、自殺防止に貢献できる継続的な仕組みを作るのが夢です。日本マインドフルネス精神療法協会や現在と未来のSIMTカウンセラーと協同して仕組みづくりに取り組みたいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

薬物療法や他のカウンセリングでさえも治らなかったうつ病の患者さんをSIMTで支援するのは遣り甲斐のある活動です。うつ病で悩み、自殺する人は多いので、全国にSIMTのカウンセラーが必要です。しかし、マインドフル心理療法は独特であり誰でもSIMTカウンセラーになれるわけでもありません。カウンセラーになるためには、1年もの学習と呼吸法の実践が必要です。習得後は、うつ病の方がほぼ改善するまで、1、2年の支援活動が必要です。

こうした骨の折れる活動ですが、遣り甲斐があります。ボランティア精神があり、うつ病や不安症で苦しむ人の支援をしたいという人に、SIMTカウンセラーになっていただきたいです。埼玉県外の全国の方で、うつ病を改善して自殺防止の支援をしたいかたのご参加をお願いいたします。

埼玉県内の人には、独立のカウンセラーでもいいですし、この法人のスタッフ、法人所属のカウンセラーになってくださる道もあります。

本やホームページをご覧いただいたり、体験会や講演会などに参加してみて、ご考慮お願いいたします。

取材者のコメント
古川勇樹 うつ病や心理的ストレスによる自殺やドロップアウトは、現代の日本社会でますます大きな問題となってきている。病気が認知されたことにより、病院の診察を受ける人は確実に増えた。病院での治療の中心は薬物療法とカウンセリングであるが、薬物療法に関しては、本当に薬が効いているのか分からない、薬が多すぎて自分に効果のある薬が分からないといった疑問や、カウンセリングでは、効果が実感できない、高額な治療費を払って続けていくことに疑問を感じる人もいるという。呼吸法による治療は、病院での治療に行き詰っている人に有用な選択肢となるのではないだろうかと感じた。
団体・プロジェクトの概要
代表者 大田健次郎、理事長
住所 埼玉県蓮田市椿山3丁目17番5号
TEL/FAX TEL 048-769-2036
お問い合せ saitama@co.email.ne.jp
URL http://mindfulness.jp/