HOME > プロジェクト・団体の紹介 >特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち

特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち

東京都

現代アーティストの出張授業で子ども達の表現力を伸ばす

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち

特定非営利活動法人 芸術家と子どもたちの写真

活動エリア 東京都内の公立小・中学校(特別支援学級含む)、特別支援学校、幼稚園、保育園、児童養護施設など
ジャンル 学術・文化・芸術・スポーツ 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

<ASIAS活動実績>
2000年7月にASIASの活動を開始以来、2015年3月までに、延べ694校・園・施設にてアーティストワークショップを実施。約32,000人の子どもたちが、様々な分野のワークショップを体験しました。

2003年、アサヒビール芸術賞受賞(財団法人アサヒビール芸術文化財団)

この活動について教えて下さい

ASIAS(=Artist’s Studio In A School:エイジアス):プロの現代アーティストが小・中学校や保育園、幼稚園などへ出かけていって、先生と協力しながらワークショップ型の授業等を実施する活動。

「芸術家と子どもたち」は、1999年に発足、2001年からNPO法人として活動を行っています。私たちが取り組んでいるのは、現代アーティストと、いまの子どもたちが出会う「場づくり」です。この出会いの場が、子どもたちにとって<潜在的な力を存分に発揮し伸ばす機会>、アーティストにとって<子どもたちと関わり、新たな表現を探る機会>になると考え、これからも、アートと、教育・福祉・地域をつなぐ、子ども専門コーディネート団体として、活動に尽力していきたいと思います。

その他の活動================
ACTION!(アクション):閉校となった中学校を再生した「にしすがも創造舎」(豊島区西巣鴨)を拠点にした地域住民参加型の活動。普段は出会う機会の少ない人たちが、アートを通じて交流する場になることを目指しています。

パフォーマンスキッズ・トーキョー(PKT):ダンスや演劇、音楽などの分野のプロの現代アーティストを都内の学校やホールなどへ派遣。ワークショップを重ねながら、子どもたちが主役のオリジナル舞台作品を創作し、発表公演を行う活動です。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

当初は、何でも吸収する子どもたちと、学校にいたら異分子の存在となるアーティストが出会うと面白い化学反応がおこるのでは、というように考えたのがきっかけでした。活動を継続するうちに、現代社会に生きる子どもたちにとって、ASIASの体験は、彼らの成長過程でまさに必要なものだと思えるようになりました。創造的な表現や新しい価値を生み出すことに生涯を捧げているアーティストたち。そんな彼らとの出会いによって子どもたちは、「(ものの見方、考え方、表現方法などにおける)答えはひとつではない」ことを学び、周囲と共生していくすべを身体的に獲得していきます。

また、ただアーティストのワークショップを、イベント的に公募でやっても、おそらく来る子は恵まれた家庭環境にある子どもたちになりがち。一般家庭の普通の子どもたちが置き去りにされているような違和感から、子どもたちの日常生活の場である「学校」という場所での実施を試みました。多くの学校から実施のご要望をいただき、当初は小学校だけで行っていたASIASも、幼稚園や中学校、児童養護施設など、今もなお活動の場が広がっています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

普段の学校生活では、友達と一緒に活動することが苦手だったAくん。そんなAくんが、身体表現のワークショップでは、率先して友達と手を合わせ、楽しそうに身体を動かしていました。日々の活動の中で出会う、ハッと驚かされたり、ジーンと感動させられたりするそんな瞬間たち。アーティストとのやりとりの中で、子どもたちの中で何かが光り、その何かが彼らの表現となって目に見えた時、この活動の遣り甲斐や喜びを感じます。

今後の夢と目標を教えてください

普段の日常生活の中で、私達は多くの枠組みやルールにのっとり、障害の有無や家庭環境などによって、子どもたちを何重にもカテゴリー分けし、分断しています。時には必要となるその境界線も、誰かが勝手にひいたものであり、もとからそこに存在したものではありません。アーティストは、そんな境界線を飛び越え、「答えのない世界」で、個々が持つ表現を引き出してくれます。アーティストの前では、子どもたちは皆、他の何者でもない、一人の表現者になれるのではと感じます。

例えば、障害の有無で隔てられている子どもたち。例えば、何かしらの理由で家族と一緒に暮らせない子どもたち。一人の表現者としてお互いに向き合ったとき、実は自分の前に引かれている境界線はそんなに太いものではなかったと、気付くきっかけをつくっていきたい。そのために、今後も学級や学校など、既存の枠組みを飛び越えて子どもたちがお互いに向き合える、より横断的な活動を広げていきたいと考えています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

当団体では、活動をサポートしてくださるボランティアの方を募集しています。ワークショップの様子を記録したり、子どもたちの活動を手助けしたりしながら、子どもとアーティストの出会いによって引き起こされる心踊る瞬間を、一緒に体験しませんか。

取材者のコメント
古川勇樹 現代アーティストが子供たちに向けたワークショップの授業をする?いったいどんな授業になるのだろうか。最初は勝手が違うことに戸惑うこともあるかもしれないが、正解がない、何をやってもいいというルールに気づけば、子どもたちはきっと、すぐに楽しむことができるようになるのだろう。大人になるほど、無意識に正解を求める行動をしてしまいがちで、答えのないものに対しては及び腰になってしまうのではないかと思う。用意された答えに自分を合わせることに慣れてしまう前に、自分の中にある何かを外に向けて表現する感覚を身に付ければ、積極的にコミュニケーションを取れる子供が増えるのではないかと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 堤康彦
住所 東京都豊島区西巣鴨4-9-1 にしすがも創造舎(旧朝日中学校)
TEL/FAX TEL 03-5961-5737 / FAX 03-5961-5738
お問い合せ mail@children-art.net
URL http://www.children-art.net/