HOME > プロジェクト・団体の紹介 >特定非営利活動法人 Science Station (サイエンスステーション)

特定非営利活動法人 Science Station (サイエンスステーション)

東京都

大学生・大学院生が”生きた”科学を出前授業

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 Science Station (サイエンスステーション)

特定非営利活動法人 Science Station (サイエンスステーション)の写真

活動エリア 全国各地 (依頼に応じて)
ジャンル 学術・文化・芸術・スポーツ 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

科学を題材として、高等学校等への「出前授業」や市民対象の「サイエンスカフェ」を、これまでに全国各地でおよそ100回開催した。また、理念や活動の様子が、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞をはじめとした各紙にて紹介されたほか、お笑い芸人「黒ラブ教授」さんにYouTubeチャンネルで取り上げていただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=lBB7_6hjgkM

この活動について教えて下さい

科学を学ぶ大学生・大学院生などが主たるメンバーで、メンバーが高等学校等を訪れ、それぞれの専門に応じた授業を行う「出前授業」が主たる活動です。また、公民館や図書館などを会場として、対象を大人にも広げた「サイエンスカフェ」にも取り組んでいます。「出前授業」や「サイエンスカフェ」では対話型の活動を目指し、実験や実習、工作などを積極的に取り入れており、そのための教材開発にも取り組んでいます。また、この活動を始めるきっかけとなった「銀河学校」(後述)など、東京大学木曽観測所で開催される高校生向けの各種セミナーも共催し、アシスタントとして学生メンバーを派遣しています。

なお「出前授業」や「サイエンスカフェ」にスピーカーとして参加するには必ず研修を受ける必要があります。授業の内容や構成、取り上げる実験、話し方などについて、先輩メンバーが丁寧にアドバイスを行い、メンバーも自信を持って活動できるシステムが確立しています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

1998年から東京大学木曽観測所(長野県)で高校生向けの天文学観測研究セミナー「銀河学校」が行われています。これは、数10人の高校生が観測所に泊まり込み、プロの研究者と一緒に天体観測、解析、研究発表までを本格的に体験する、というものです。私(藤原英明理事 (国立天文台ハワイ観測所)) はそのセミナーの「卒業生 (2期生)」で、大学に進学後、他の卒業生数人とともにアシスタントとして「銀河学校」などのセミナーを手伝うようになりました。

最初は個人的な活動として始めたものでしたが、「自分たちが高校生だった時にセミナーに参加したことで得た刺激、生きた科学研究に触れることができた喜びを、より多くの人に伝えていければ」と考えるようになりました。そのためには組織的に活動をする必要があったのですが、「銀河学校」の生みの親である東京大学の吉井譲教授から「銀河学校卒業生を中心としたNPO法人を立ち上げてはどうか」という提案をいただき、吉井教授の指導のもとで法人としての活動が2004年から始まりました。

銀河学校の卒業生には大学進学後も科学を学び、研究者を志す人も多いです。現在進行形で科学を学び研究を行う学生が高校生などに直接語りかけることは、まさに科学研究の楽しさを生きた形で伝えることだと思いました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

自分が学び研究に取り組む科学の話を、多くの方が興味を持って聞いてくれるという機会は、自分にとっても大変貴重で、大きなやりがいの一つだったと思います。授業中や授業が終わった後にたくさん質問が出たときなどはとても感激します。研究室に閉じこもっていては決して得られなかった時間と経験だと思います。

また、私たちの行った授業やセミナーを受講した生徒が、後に私たちの仲間に加わり、学生メンバーとして積極的に活動してくれるケースも多いです。自分が得た経験を次の世代とも共有したい、という気持ちの表れだと思いますが、これは私が活動を始めた最初の動機と同じです。そのような雰囲気が今でも団体の中で引き継がれているのは、大変感慨深いものがあります。

今後の夢と目標を教えてください

私自身は既に大学院を卒業し、研究機関に就職しているため、実際の活動は若い「現役」のメンバーに委ねており、遠くから見守っている立場ですが、若いメンバー自身が学びながら、そして楽しみながら活動できるように、引き続きケアしていきたいと考えています。私たちの活動は地道かもしれないですが、だからこそ長期にわたり堅実に活動を続けることに意味があると思っています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

私たちと一緒に、現在進行形の科学の魅力をたくさんの人たちに伝えてみませんか?科学が好きで、教育・普及活動に興味がある大学生・大学院生を歓迎しています。活動を通じた経験、スキル、そして友人は、きっとあなたの財産になることでしょう。ちなみに私は、Science Station の活動を通じて得た経験とスキルを活かし、国立研究機関の広報担当研究者として働いています。

取材者のコメント
古川勇樹 多感であり、自らの将来や社会について自分で考えることができる高校生の時期に、プロの研究者や研究者の卵たちの手引きで科学の世界に触れるという経験は、とても刺激的で有益なものであることが伝わってきた。参加した高校生が、卒業後に今度は活動の運営メンバーになっていくことからも、この団体の活動が高校生たちに与えている影響の大きさが感じられる。また、研究者の側でも、興味を持って話を聞いてもらうことに喜びを感じるというお話には実感がこもっており、研究者にとってもこのような場が必要とされているのではないかと感じた。
団体・プロジェクトの概要
代表者 吉井 譲 (東京大学教授)
住所 東京都三鷹市大沢 2-21-1 東京大学天文学教育研究センター
TEL/FAX TEL 0422-34-5027  FAX 0422-34-5087
お問い合せ SSadmin@sciencestation.jp
URL http://sciencestation.jp