全国中に「ベンチの在る街」を!
まちづくりNPO 特定非営利活動法人 まち研究工房
活動エリア | 埼玉県、他 |
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ジャンル | まちづくり |
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足腰の弱った高齢者、身体の不自由な人、妊婦さんなど、移動が困難な人が、歩行中にひと休みできるよう、鉄道の高架下、いろいろな店舗の軒下や病院・福祉施設・文化施設などの敷地の一角、道路上などにベンチを設置する活動(「おやすみ処」普及活動)を継続しています。
ベンチは、多くの人がどこでも気軽に休めるよう、50m間隔を目標に配置し、ベンチには「おやすみ処」の木板やステッカーを貼っています。また、ベンチは温もりを感じられるよう、できるだけ木製や手作りのものを用意しています。
弊団体の設立者(代表理事)が都市計画に携わっている仕事柄、各地の街を歩いている際に、お年寄りや妊婦さんが辛そうに歩いている姿や、道端に座り込んで休んでいる様子を目にし、街の中に誰でもどこでも気軽にひと休みできる場所が必要と痛感しました。
また、街の中には、ごみ溜りになっている空き地などが散在しているため、そのような場所も「おやすみ処」として活用することで、生活環境の改善にも役立つと考えました。実際に、弊団体がJRの高架下の使われていなかった用地を12年前から自主的に借地し、ベンチの他に防災用具など様々な機能も備えた「おやすみ処」として管理運営しています。
ベンチを置いてある場所の巡回や清掃などの際に、実際にお年寄りや身体の不自由な人、妊婦さんなどが休まれている様子や小さい子供たちも集まっている様子などを見かけたり、「このベンチがあるから本当に助かるわ」、「以前より買い物に出かけやすくなりました」などの声をかけていただき、現地で遣り甲斐や喜びを感じることが少なくありません。
この活動は弊団体の地元の戸田市(埼玉県)から始めましたが、徐々にベンチの設置先を市外・県外に拡げていますので、今後も少しでも多くのベンチを用意するとともに普及活動を続け、全国中に「ベンチの在る街」が増えることを願っています。
また、ベンチを東北の被災地に寄贈したり、被災地の工房にベンチを発注して購入していますので、今後も私たちがベンチの設置先や提供先を広げたり資金調達を行い、東北の事業者さんに依頼するなど、微力ながら地域振興にもなるよう活動したいと思っています。
私たちは12年前にNPOを立ち上げ活動を続けていていますが、まだまだ道半にも達していない状況ですので、特に同じような問題意識をお持ちの方や取り組みを実践したいと思っている方のご参加や、ベンチ購入などの活動資金調達のご協力を賜れれば幸いです。
取材者のコメント | |
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古川勇樹 | 「お店に入るほどではないけれど、ちょっと一息つきたいときに休める場所がほしい」というニーズは全国どこにでもあるだろう。特にそれを必要としている、高齢者や妊婦というのは、今後高齢化問題や少子化問題の当事者として、サポートが必要な存在であるといえる。そういった社会において、この団体が「おやすみ処」という形で休憩できる場所を作っているというのは、地道な活動かも知れないが、確実に困っている人が少しずつ減っていくことだと思う。「おやすみ処」を中心に、笑顔が広がる社会になっていけたらすばらしい。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 金田 好明 |
住所 | 埼玉県戸田市新曽1442 |
TEL/FAX | TEL 048-445-9038 FAX 048-255-1233 |
お問い合せ | kaneda@machi-ken-kou.net |
URL | http://www.machi-ken-kou.net/ |
主な受賞歴や実績
受賞歴
・(特)日本都市計画家協会 第8回日本まちづくり大賞(日本都市計画家協会賞)受賞 (H22年 6月)
・全国まちづくり会議2010実行委員会 まちづくりネット・プレゼン賞受賞 (H22年10月)
・彩の国人にやさしい建物づくり連絡協議会 第5回「彩の国人にやさしいまちづくり賞」〈活動・アイデア部門〉受賞(埼玉県知事表彰) (H23年 2月)
・(社)日本都市計画学会 22年度日本都市計画学会賞〈石川奨励賞〉受賞 (H23年 5月)
・(公財)「あしたの日本を創る協会」(埼玉県審査会) 23年度「あしたのまち・くらしづくり活動賞」埼玉県審査会〈優秀賞〉受賞(埼玉県審査会 県知事表彰 事務局:彩の国コミュニティ協議会) (H23年11月)
・(公財)「あしたの日本を創る協会」・NHK・読売新聞社 23年度「あしたのまち・くらしづくり活動賞」中央審査会〈主催者賞〉受賞(全国表彰) (H23年11月)
・国土交通省(本省) 第5回「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」受賞 (H24年 1月)