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特定非営利活動法人 国連WFP協会

東京都

世界の子ども達へ給食を支援

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 国連WFP協会

特定非営利活動法人 国連WFP協会の写真

活動エリア 世界82か国(2014年実績)で実施されている国連WFPの食糧支援活動を、日本国内よりサポート。
ジャンル 国際協力 

主な受賞歴や実績

国連WFP協会は1999年1月、日本国内における民間協力の窓口として設立。

この活動について教えて下さい

 国連WFPの主な支援活動は以下の4つですが、活動の柱の一つとなっているのが「学校給食プログラム」です。(1) 学校給食プログラム 学校給食を支給することで、子どもたちの健全な成長を促すとともに、通学の動機づけとなり、教育の機会を拡げる。(2) 緊急支援 災害や紛争時には人々の命を守るために食糧を配給する。また、緊急事態発生時には、人道支援機関の物流をリードし、他国連機関やNGOなどの調整及び、支援物資の運搬をサポートする。(3) 母子栄養支援 乳幼児や妊娠・授乳中の女性に栄養強化食品を配給。(4) 復興支援 職業訓練を受けた人や働いた人に、食糧や現金等を支給。また、貧しい小規模農家に農業器具や研修を提供し、余った収穫物は適正価格で買い上げることで、自立を支援。
国連WFPは過去50年以上にわたり、世界中の途上国で学校給食を配給しており、2014年には、65カ国においておよそ1,820万人の子どもたちに給食を提供しました。学校給食プログラムの最終目標は、給食を提供している途上国の政府が国連WFPの給食支援から「卒業」し、自国の制度として独立した給食事業を継続的に運営することです。1970年からこれまでに、ポルトガルやシンガポール、ブラジル、トルコなど、38か国が支援を「卒業」し、現在は自国の給食制度を運営しています。
日本では国連WFPが給食を入れる容器として使う「赤いカップ」を目印に、学校給食プログラムへの支援を呼びかける「レッドカップキャンペーン」を2011年11月に開始しています。2012年4月より、協力企業が赤いカップのマークを付けた寄付付商品の販売を開始し、売上げの一部を寄付して下さっています。2013年度は17社にご協力頂きました。
 

どうしてこの活動をはじめたんですか?

貧しい家庭では、生計を支えるために子どもが働かなければならないことがあります。しかし、給食が提供されれば親は働かせるよりも通学させることを選ぶようになります。子どもたちも空腹が満たされ、勉強に集中できるようになり、学習能力も向上します。また、戦争などの緊急時には避難生活などで通学が難しくなり、教育が中断しがちですが、給食は通学の強い動機づけとなり子どもたちを学校につなぎ止める効果があります。さらに、女の子に教育を受けさせず若くして結婚させる慣習が強い地域でも、給食は学校への呼び水となり、男女間の教育格差が是正されます。学校給食は子どもたちの教育を促進することで将来への夢や希望を育むだけではなく、社会的問題の解決にも寄与し、社会や国の発展へと繋がる好循環を生み出す重要な活動として開始しました。
特に日本において給食は、世界の中でも長い歴史を誇るとともに、重要な意味を持っています。明治22年に山形県で貧困児童の救済を目的に、おにぎり、焼き魚と漬物が提供されたのが日本における学校給食の始まりとされていますが、その後、戦時中は一時中断したものの、第二次大戦後の困難な食糧事情の中、脱脂粉乳など海外からの援助物資を受けて日本の学校給食の制度は急速に普及。子どもたちを飢えから救い、健全な発育を後押しし、戦後の復興の一助となりました。戦後、日本の子ども達が給食に力をもらったように、いま、国連WFPの給食は世界中の途上国で子どもたちの未来を支えているのです。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

国連WFPの学校給食プログラムで育った子どもが立派に成人し、活躍していると聞いたときに格別の喜びを感じます。2008年に17歳という若さでエベレスト登頂に成功し、2014年12月には世界7大陸最高峰を踏破したネパール人の女性登山家、ニムドマ・シェルパさんもその一人で、子どもの頃は国連WFPの給食を食べて育ちました。
ネパールでは、4人に1人が1日60円足らずで生活し、450万人が栄養不足に苦しんでいます。貧しい地域では子どもは重要な働き手であるため、多くの子どもが学校に通えておらず、特に女の子の就学率は低い傾向にあります。ニムドマさんは学校給食があったことで教育を受けることができ、存在すら知らなかった様々な世界への扉が開けたと語っています。現在は登山家として活躍する一方、これまでに200以上の小学校などを訪問し、子ども達に自らの体験談や教育の大切さを伝えています。

今後の夢と目標を教えてください

世界には人々が食べていけるだけの十分な食糧があるのにもかかわらず、一方では飽食、一方では飢餓の問題があるという不均衡が存在し、現在7億9500万人が飢餓に苦しんでいます。私たちが食べ残したり廃棄したりしている生活を見直し、この不均衡を解消できれば、飢餓問題は解決可能なのです。
国連WFP協会は日本の皆さん一人一人の小さな意識の変化のきっかけを作ることで、私たちの世代のうちにZero Hunger(飢餓のない世界)を目指しています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

食は我々にとって最も身近で、欠かすことができないものです。私たちはきちんと栄養がとれてはじめて、教育や医療の恩恵にあずかることができ、国や社会の発展に貢献することができます。
何か社会貢献をしてみたいけど、何から始めたらわからないという方、ハードルが高いと感じている方、まずは赤いカップのマークの付いた商品を手に取り、社会に小さな変化をもたらしてみてください。そして私たちと一緒に食糧問題について考え、変化の輪を広げ、Zero Hunger(飢餓のない世界)を実現しましょう。

取材者のコメント
古川勇樹 日本にいると実感が湧かないかもしれないが、世界の9人に1人は飢餓で苦しんでいるのが現状である。
この団体は途上国の政府が自国の制度として給食事業を継続的に運営することを目標に、世界中の途上国の学校給食の支援を行っている。これは世界の子ども達を飢えから救うだけではなく、学校へ呼ぶ為の手段ともなり、子ども達の未来を支えていくことに繋がって行く。また、私達にもできることはたくさんあるので少しづつでもこのような現状を意識して生活していくことが重要だと感じた。
団体・プロジェクトの概要
代表者 会長 安藤 宏基(日清ホールディングス㈱代表取締役社長・CEO)
住所 横浜市西区みなとみらい一丁目1番1号
TEL/FAX 045-221-2515/045-221-2534
お問い合せ pr@jawfp.org
URL http://ja.wfp.org/