間伐材研究所

東京都

間伐材の魅力を広め、森林をもっと身近な存在に

団体名・プロジェクト名

間伐材研究所

間伐材研究所の写真

活動エリア 京都府綾部市
ジャンル まちづくり 森林保全・緑化 食・産業、漁業、林業 

主な受賞歴や実績

平成27年度 地域環境保全功労者表彰(環境大臣表彰)

この活動について教えて下さい

「間伐材を使って『やま』と『まち』をつなぐ」をキーワードに、毎月第1日曜日に山に入って間伐等の森林整備をしたり、倒した間伐材を自力で搬出して木工活動をしたりしています。また、各地の間伐材活用事例や、森づくりに取り組む方々を取材した会報「間伐材新聞」を年に4度発行し、80名の会員に配布しています。平成14年の設立以来、3ヵ所のフィールドを整備し、通算48号の新聞を発行してきました。最近では年に1度、各地の林業地や工房を訪ねるツアーを企画したり、勉強会や鹿肉バーベキューを行うなど、森と間伐材の魅力を探り楽しむ活動を広げています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

平成13年に、京都市のコンサルタントが間伐材で造った組み立て式テントを開発し、それを事業化するプロジェクトが試行されました。その取り組み自体は実現しませんでしたが、半年の試行期間中に同社のアルバイトとして関わった27歳の幹田と、事業地となった綾部市から企画に加わった26歳の横田が間伐材に可能性を感じ、事業としてではなく、実践活動として一から取り組んでいきたいと、仲間を10名集めてNPOを設立しました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

間伐作業自体が、森林環境保全に貢献できるという社会的使命を充足させると同時に、狙った箇所に木を倒す技術的達成感と、森を明るくする心地良さを感じさせる作業ですが、発生した間伐材を有効活用することで、更に「スギ・ヒノキの物語」をプロデュースする喜びがあると思います。
 
広葉樹と比べて忌避されることの多いスギ・ヒノキですが、日本が誇る貴重な地上資源であり、適切に整備されていれば水源涵養や山地保全などの機能を十分に発揮されるはずです。放置される運命であった間伐材を楽しく活用してその用途を紹介することで、間伐材を身近で有用なものだと感じて頂き、木材需要の拡大に役立つことができれば嬉しく思います。

「まち」に住む方に、そんな間伐材の重要性に気付いてもらい、その魅力を共有できた時、一番達成感を感じます。

今後の夢と目標を教えてください

森林や間伐材が持つ機能と重要性、そしてその可能性を広く伝えることで、多くの方が間伐材や日本の森に興味を抱き、国産材の需要拡大や森林の機能発揮につなげられることを目指してきました。今後も活動仲間を増やし、新たな間伐材の用途を広げることで、一人でも針葉樹林ファン・国産材ファンを増やすことが、最大の目標であります。

また、コンセプトでもある「やまとまちをつなぐ」場として、町の中に「山を感じる」「山に近づく」を作ることが長期目標です。間伐材の家具や遊具に自由に触れたり、工作機械を使って間伐材を自在に加工したり、山に関する情報を見聞きできたり、そんな山の入り口となる施設があれば、山と町の距離も近づくと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

「間伐材」の名のもとに、森好き・環境好き・そして木工大好きの20~70代の老若男女が毎月綾部に集い、森や木で遊んでいます。作業そのものも遣り甲斐あるものですが、その間の老若男女の世代間交流や、イベント開催を通した新たな仲間作りも、大きな楽しみです。
京都府綾部市で、第1日曜日に待っています。
皆様も、ぜひ「間伐材」してみませんか?

取材者のコメント
古川勇樹 あまりよいきっかけとは言えないが、ゲリラ豪雨や土砂災害など自然災害の報道が増えるにつれて、森林が住宅地や都市部の安全に密接に関わっていることが多くの人に認識され、森林への関心も高まっているのではないだろうか。森林について少し学べば、適切な森林管理には間伐という木を切る作業が必要であることもすぐわかる。この団体の活動のように、都市部の人たちが森林に思いをはせる機会が増えれば、やみくもに木材の消費はすべて自然破壊につながるというイメージが払しょくされ、間伐材に付加価値がついて消費され、森林が健やかに存続できる仕組み作りにつながるのではないかと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 幹田秀和
住所 京都府綾部市里町向屋敷50番地
TEL/FAX 0773-21-5797
お問い合せ mikita-kanbatsu@zeus.eonet.ne.jp
URL http://kanbatsu.sakura.ne.jp/