HOME > プロジェクト・団体の紹介 >NPO法人 鎌倉てらこや

NPO法人 鎌倉てらこや

東京都

地域総がかりで、子供たちを育てる

団体名・プロジェクト名

NPO法人 鎌倉てらこや

NPO法人 鎌倉てらこやの写真

活動エリア 鎌倉市及びその近隣地域
ジャンル その他 学術・文化・芸術・スポーツ 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

■2006年 日本青年会議所褒章(教育・青少年関係推進部門)受賞(鎌倉青年会議所の事業として)
■2007年 (財)博報児童教育振興会より、博報賞ならびに文部科学大臣奨励賞を受賞
■2011年 第三十五回正力松太郎賞本賞受賞
■2011年 第5回共生・地域文化大賞受賞活動

この活動について教えて下さい

教育活動の主体は、早稲田大学・横浜国立大学・鎌倉女子大・明治学院大学などの大学生(約250名)です。対象(受益者)は鎌倉市とその周辺地域の小中学生及び保護者であり、お寺を主たる活動フィールドとして、様々な活動を行っています。主な年間活動とその意義を簡単に紹介すると、以下のようになります。

①宿事業:毎年8月に建長寺合宿、11月に光明寺合宿が開催される。坐禅や食事作法、などお寺の規律ある生活を体験し、日常の生活を見つめ直します。

②地域事業:鎌倉ならではの伝統・文化・自然等を活かしつつ、「本物」の講師を迎えて活動を行っている。寺社などの日本の伝統文化に触れる実地体験や、自分達が住む地域の環境や自然から学ぶ体験学習を通して、健全な子どもと若者の育成活動を実践しています。
主な活動に、「土と遊ぼう」(陶芸体験:講師 河村喜史先生)、「みんなで朗読」(朗読体験:講師:幸田弘子先生・中里貴子先生)、「鎌倉めぐり」(郷土探険:講師 大貫昭彦先生)、「めざせ!里ヤマスター☆」(稲作体験)等があります。

③居場所事業:「自らの居場所は自らの手で作り上げていく」という基本理念のもと、子ども・学生・保護者が集まり、本気で遊び、話しあい、学びあえる環境を自ら作り上げていくことで、主体性を育んでいます。

④公教育サポート事業:鎌倉市内の学童保育施設へと、大学生ボランティアを派遣する事業を実施しています。支援員だけでは対応するのが難しい、定員を超えた多くの子どもたちに、学びや遊びのケアを行っています。また、支援員の方々よりも、子どもたちと年齢が近い大学生だからこそ、子どもたちはこころを開きやすく、悩み話を聞く等、子どもたち一人ひとりのこころに寄り添った関わりを実施しています。

2003年の活動スタート以来のおおよその参加者数は、延べ人数で、子ども15,000名、保護者5700名、学生・市民ボランティア10,000名にのぼっています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

近年、子ども・若者の置かれた状況は、不登校・ひきこもり・いじめ・自殺等の問題が頻発し、極めて深刻化しています。そうした状況を是正するためには、「家庭」「学校」といった個別の教育的対応だけではなく、地域社会全体を巻き込んだ「地域総がかり」による教育的取り組み、すなわち現代版の「てらこや」が必要であると考えました。

そこで、2003年に設立された「NPO法人鎌倉てらこや」は、現代の子どもや若者を取り巻く深刻な状況を改善するだけでなく、日本の将来を託するに足る子どもと若者を積極的に育てていく環境作りを行っている。お寺が歴史的に培ってきた教育力を活用し、三つの教育現場(家庭・学校・地域)と、三つの世代(子ども・若者・大人)とを有機的につなぐことによって、地域の教育力の活性化をめざしています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

夏休みに開催される、寺での生活を体験する「建長寺合宿」では、子どもと大学生が一緒になって、本気で修業や遊びに取り組みます。そして、4日間の生活を共にした最終日には、「絶対、また会おうね」と、子どもと大学生の別れを惜しむ姿が多くみられます。また、全体で300人を超える規模となる本合宿では、精進料理作りや学生企画の補助など、膨大なサポートが必要となります。そうした裏方の役割を、保護者の方々にも、子どもや大学生に負けないぐらいの情熱で取り組んで頂いています。

このように、何かに本気になって一つの物事に取り組むことによって、活動に携わって頂いている一人ひとりの皆さんと共に、良き思い出を創り出すことができたと感じる時、大きなやりがいを感じます。

また、活動がスタートしたころは小学校2年生だった子が、10数年たって大学生となり、大学生スタッフとして活動に参加してくれています。12年前に活動を開始した当初からの夢の一つが叶った瞬間であり、継続的な子どもたちとの関わりを大切にしている私たちとしては、とても喜ばしい出来事です。

今後の夢と目標を教えてください

鎌倉てらこやの活動方針は以下の3点です。
「子どもたちと、一対一で向き合う関係を大切にする」
「一人でも多くの子どもたちに、「てらこや」を届ける」
「より広くの地域の皆さまに、支えていただける「てらこや」へ」

子どもたちの置かれる困難な状況を未然・予防するためには、子どもたち一人ひとりとより深く関わるとともに、より多くの子どもたちと関わることが必要不可欠だと考えています。そこで、具体的な目標としては、現在6カ所で実施している公教育サポート事業を、鎌倉市内の学童保育施設全て(16カ所)で実施できる体制を整える事を掲げています。

普段は普通に生活している子どもでも、勉強や恋の悩み、保護者との関係等さまざまな悪い条件が重なってしまったとき、不登校や引きこもりといった困難な状況に陥らないとは限りません。家庭でも学校でもない場所で、そうした悩みや不安を打ち明けられるような人間関係、コミュニティを、より多くの人々の協力によって築いていくことが大切だと考えています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

これからも私たちは、ひとりでも多くの方に「てらこや」を届けていきたいと考えています。そして、子どもたちはもちろん、より多くの若者や大人たちと共に、自ら考え、判断し、行動できる「一人前」が育つ地域社会を、世代と立場を超えた仲間と共に、みんなで築いてまいります。

「鎌倉てらこや」への関わり方は1つではありません。子どもとして参加する、大学生スタッフとして参加する、保護者として参加する、シルバーボランティアとして子どもと大学生の活動を支える、寄付をする…など、「鎌倉てらこや」の活動は、多様な世代の方々のご支援とご協力によって支えられています。

一人でも多くの皆様が、鎌倉てらこやを共に作り上げて下さる仲間・サポーターとして、活動に携わって下さることを望んでやみません。少しでも興味を持っていただけたならば、是非一度、鎌倉てらこや事務局までお問い合わせください。

取材者のコメント
古川勇樹 鎌倉という場所が持っている豊かな資源が有機的に組み合わされているところが素晴らしいと思った。日本に誇る名刹での合宿でお寺の生活を体験したり、楽しみながら山や海の自然に触れたりといった鎌倉ならではの場所を活かした企画では、子供たちにとって地域には素晴らしいものがたくさんあることを知ることだろう。それらを実行部隊として担っている大学生と、プログラムを練ったり方向性を考えたりする地域を支える大人や専門家たちとのつながりも有機的で教育的意味が大きいと思った。地域総がかりのパワーがいかんなく発揮されている、大変魅力的な活動である。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 上江洲 愼(うえず しん)
住所 神奈川県鎌倉市大船1-25-23 千里ビル3階
TEL/FAX TEL 0467-84-9746(13時~17時)/ FAX 0467-84-9748
お問い合せ info@kamakura-terakoya.net
URL http://kamakura-terakoya.net/