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特定非営利活動法人博多ウィメンズカウンセリング(HWC)

東京都

個人の問題ではなく社会の問題へ

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人博多ウィメンズカウンセリング(HWC)

特定非営利活動法人博多ウィメンズカウンセリング(HWC)の写真

活動エリア 福岡県およびその近郊
ジャンル その他 医療・福祉 男女共同参画 

主な受賞歴や実績

様々な暴力によって苦しみや困難を抱える女性や子どものために心理的支援を中心とした支援活動に取り組んでいる。

この活動について教えて下さい

様々な暴力によって苦しみや困難を抱える女性や子どものために心理的支援を中心とした支援活動を行っています。また、暴力が起こる背景には差別があると考えるとともに、「Personal is political(個人的なことは政治的なこと)」という視点で、男女共同参画社会の実現を目指す活動も行っています。カウンセリングや電話相談などのほかに活動の一環として、一般向けの講演会や、支援者または支援者を目指す人を対象にした養成講座、研修などを開催しています。
女性や子どもなどの権利が守られているとは思えない社会状況の中、差別から生まれる暴力により、苦しむ女性や子どもがとても多いと感じています。「女性は強くなった」とよく揶揄されますが、実際にはそうではありません。所得平均は男性より低く、非正規雇用の割合は男性よりも多いというのが、客観的な数字として出ています。また、暴行、DV・性暴力、殺人等の被害者の多くが女性や子どもです。社会的弱者と呼ばれる所以なのです。暴力、特に性暴力の被害を受けると心理的な傷つきは大きく、社会の偏見のためにその傷が回復できないまま放置され、日常生活を送るのが困難になることは珍しいことではありません。そのための直接的な支援を行いますが、支援者の質を高めるための活動にも力を入れています。支援を行うためには、まず暴力の構造や被害者の心理をきちんと学ぶ必要があります。学ぶことで、被害者を傷つけず、寄り添う支援へと第一歩を踏み出すことができるため、心理的理解の比重を大きくした支援者養成の講座を開催しています。
また、こういった被害は冒頭のとおり、個人の問題ではなく社会の構造的な問題であるため、社会に向けての問題提起を兼ねた啓発活動もしています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

1年間の長期連続のフェミニストカウンセラー養成講座を終了した有志が集まり、2006年、女性や子どもの支援を行うための任意団体を立ち上げました。そのころは既に様々な女性支援団体が活動している状況だったので、後発で活動を始めた我々に対する風当たりはとても厳しく、また、心理的支援という活動内容が理解してもらいにくいために、どこに行っても門前払いを受けるという状況でした。しかし、「地道に誠実に行こう」を合言葉に、広報活動や講座開催などを粘り強く続け、少しずつ信頼を得て、自治体の募集企画にも毎年通るようになりました。2008年にNPO法人格を取得してからはネットワークが広がり、現在では女性や子どもへの暴力に対する防止活動も全国の団体と連携をしています。HWCを信頼して相談に来てくださる方が増えています。さらに、熱意あるスタッフが増えたお陰で、全員で積極的に動けるようになったことは、とても嬉しいことです。今でも、「地道に誠実に行こう」をモットーに活動しています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

HWCの活動は、主に心理的支援が中心であるために外部から成果がとても見えにくく、理解してもらうのには中々難しいところがあります。それでも、企画講座を受けてくださった方々がその場でエンパワ-メントされる姿、つまり元々持っていた力が引き出される瞬間を目の当たりにした時にとても喜びを感じます。女性の生き難さやDV・性暴力の問題は他人事ではなく自分の問題であること、さらに、個人的な問題だと思ってきたことが社会的構造の問題だったということに気づき、力が湧き上がる様子を見て、私たち自身が元気づけられています。
また、実際に困難に直面した方が心理的支援を受けることで次第に自信を取り戻して、ご自分で問題に取り組み始める姿に出会う時も、とても元気をもらいます。一人の人間としてお互いがエンパワ-メントする瞬間を共有できる時が喜びとなります。

今後の夢と目標を教えてください

心理的支援とアドヴォケイト(擁護活動)とを連動させながら、被害にあった方々の心理的回復とともに社会的回復を目標にしています。そのため、私たち自身がさらに学ぶ必要があり、公開講座や研修などの外に向けた活動と、自己研鑽を同時に行っていきたいと思います。
HWCが活動するにあたっては、スタッフ内でトップダウンという形ではなく、全員がフォロワーという形、つまり、皆でワイワイ話し合って決めていくやり方を取っています。これは、スタッフそれぞれが力を持っているからできることであり、今後もお互いに高め合い刺激し合って成長していきたいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

HWCの活動に関心を持っていただき、サポートしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。賛助会員になって応援をしていただくと、スタッフ全員が心をこめて作る会報「We」(年二回発行)と、講座のご案内を随時お送りします。講座や研修には優先的に参加できますのでよろしくお願いします。

取材者のコメント
古川 勇樹 男女の平等が叫ばれる中で、忘れられがちな、しかし忘れてはならない様な、いまだに残っている差別や実際に起きた暴力に対しての支援を個人に対してのみではなく、社会に向けても行っている。男女という性の違いによって起きるような問題を防ごうとする活動、この様な活動により、個人が受けた出来事が他の人の間で二度と起きないように社会を変化させていくことが出来るのだ。少しずつの動きから社会を変え、差別がなくなる時代を作っていけるのではないだろうか。今後も地道に誠実に、女性の力になってほしいと感じる行動である。
団体・プロジェクトの概要
代表者
住所 福岡県福岡市中央区舞鶴2丁目3-20-203
TEL/FAX 092-210-0058
お問い合せ info@npo-hwc.com
URL http://www.npo-hwc.com/