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特定非営利活動法人コープ住宅推進協議会関西

東京都

建築・不動産分野の専門家グループによるユーザー支援活動

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人コープ住宅推進協議会関西

特定非営利活動法人コープ住宅推進協議会関西の写真

活動エリア 全国
ジャンル まちづくり 

主な受賞歴や実績

日本建築学会賞(西神コープタウン「アーサヒルズ」)
 神戸建築文化賞(名谷コープタウン)
 大阪府委託研究(阪南ニュータウンにおけるコーポラティブ住宅開発)
 兵庫県住宅供給公社委託事業(高砂コープ住宅計画)
 大阪府住宅供給公社委託事業(寝屋川コーポラティブ住宅計画)

この活動について教えて下さい

「既成品」の住宅ではなく、また「個人の注文住宅」でもない、第三の住宅として、欧米諸国では100年以上の歴史がある「居住者が参加して、集まってつくる住宅」=コーポラティブ住宅を、日本にも普及、定着させるために、建築・不動産分野の専門家グループによるユーザー支援活動を37年間続けています。

この住宅づくりの主な特徴は次の三点
(1)自由設計
(2)不要なコストを省く
(3)コミュニティづくり

 しかし、ユーザーのみでは実際には実行できないので、コーディネーター集団として、主に次のような活動を実施。
(1)コーポラティブ住宅を普及するための「コープ住宅フォーラム」の企画、開催
(大阪市、尼崎市、堺市、岸和田市等各地で実施)
(2)コーポラティブ住宅の理解を促すための情報発信、提供
(リーフレット、マニュアル冊子等の制作、発行)
(3)ユーザーの登録制度、コープ住宅企画紹介
(ホームページを活用した、ユーザー登録、企画紹介)
(4)行政、公共団体と協力したまちづくりへのシステム導入、事業コーディネート
(兵庫県、神戸市、豊中市、寝屋川市、堺市、富田林市等で実施)
(5)大震災に伴う被災住宅の共同再建支援
(神戸市と連携して「共同再建支援センター」の開設、共同再建、マンション再建のコーディネート実施)

どうしてこの活動をはじめたんですか?

欧米では、新しく建てられる住宅のうち、2~3割が、住民参加によるコーポラティブ方式で行われており、国をはじめ行政、企業がそれを支援し、制度としても確立しています。
 また「うさぎ小屋」と評されるように、日本では大掛かりな「都市建設」は進められても、庶民の住宅はきわめて貧弱な状態です。
 このような特殊な状況を生み出した背景には、「お金のある人には融資」「かなりお金に困っている人にはおしきせの‶公営住宅″」という両極端な住宅政策が長年続いたこと、さらには国民一人ひとりの住宅への関心が薄く、行動力が弱いという問題があります。
 これらを打開するためには住宅をめぐる「中間層の自立」とも言える、自分たちの手で力を合わせる方法を採用するコーポラティブ住宅の普及がもっとも有効と考え、それを専門家として支援する組織として立ち上げました。
 その動機は、ヨーロッパ、アメリカ、カナダといった「住宅先進国」を訪れ、交流する中で、それら諸国ではしっかりした支援組織があり、それを行政が支えているということを知り、私たちもその日本型モデルをつくろうとしています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

(1)ユーザー一人ひとりの希望を聞きながら、それに応えるプランを考え、結果として、ユーザーが今までにないライフスタイルの実現を「リーズナブルプライス」で獲得できた、と喜ばれる時ですね。
(2)一見手間がかかって、面倒なプロセスのように思われるが、「住まいづくり、住むことを楽しむ」という考え方でアドバイスをし、コーディネートをすることにより、何度もみんなが集まったり、一人ひとりとの設計相談と時間はかかっても、出来上がった時の満足度が高く「とても楽しかった!」と感じられる時です。
(3)一般に住宅は新築された時が一番美しく、年月とともにみすぼらしくなるが、コーポラティブ住宅では、自主管理と、良いコミュニティにより、「時と共に育つ空間」をつくられて、何年か経って訪問すると、美しい緑の風景、手入れの行き届いた建物等で、年月とともに良い姿となっているのに接した時です。

今後の夢と目標を教えてください

(1)今問題になっている「地方創生」の中にこの方式を組み込んで、若い世代が地方に「集まって移住」するような事業の展開
(2)単なる住宅づくりではなく、農園や動物と共にある暮らし、エコなライフスタイルを一人では無理でも集まって住むことで実現できる「エコビレッジ」づくり。
(3)高齢者が孤立したり、子育する女性が孤立するのではなく、「生活を共同化」するスペースをもって、「相互扶助」の場となる住まいづくり。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

 一住民として、コーポラティブ住宅に取り組んでみたい人、建築の専門家として、集まって住みたい人たちを応援したいと考えている人、そういう気持ちをもっている人なら、誰でもできることがあるし、自分が行動する一人となれる場がここにあります。

取材者のコメント
古川勇樹 建築・不動産分野の専門家グループが、地域の持続可能な社会を形成するために、欧米のコーポラティブ住宅を参考に「まちづくり」を行うユニークな活動をしている。
既存の日本の集合住宅にはない、住民相互の助け合いも考慮に入れた住居作りは、専門家ならではの構想と住みやすい住宅作りにいかされている。
核家族化が進み、隣人の顔が判らなくなっている現代社会の構造を「住まい」によって解消しようという試みは、今後の社会形成のひとつの指針になる可能性がある。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 髙田 昇
住所 大阪市阿倍野区帝塚山1丁目6-3
TEL/FAX 06-6624-2321 / 06-6624-2737
お問い合せ coop@com-planning.co.jp
URL http://www.coopkyo-kansai.gr.jp