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公益財団法人セゾン文化財団

東京都

独自の方法で日本の現代舞台芸術を支える財団

団体名・プロジェクト名

公益財団法人セゾン文化財団

公益財団法人セゾン文化財団の写真

活動エリア 日本全国、および海外(国際的な舞台芸術交流事業)
ジャンル 学術・文化・芸術・スポーツ 

主な受賞歴や実績

2003年 メセナ大賞 舞台芸術牽引賞
2009年 ドナルド・キーン日本文化振興賞

この活動について教えて下さい

当財団は以下の基本方針をもって、助成事業を中心に日本の現代演劇と現代舞踊への支援活動を展開しています。 ■創造活動への支援:個々の演劇・舞踊公演ではなく、創造のプロセスを総合的にサポートしています。新しい表現の探求と、活動のステップアップに支援の重点を置いています。■長期的視点に立った継続的な支援:単発ではない、複数年にわたる助成を原則としています。助成先との密接なパートナーシップにもとづいた支援活動を指向しています。■資金のみではない複合的な支援:作品創造や学び合いのための「場」を提供しています。団体の法人化、会計、税務など活動運営に関する相談にお応えします。

このほかに、当財団が運営する森下スタジオを拠点として、セミナー、レジデンス事業やショーイング等の主催・共催事業を行っています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

当財団は、芸術・文化活動に対する支援を通じ、新しい価値の創造と、人々の相互理解の促進に寄与することを目的に、初代理事長の堤清二の私財によって設立されました。日本の現代演劇・舞踊の振興、およびそれらの国際交流の発展に向けて、1987年より助成活動を行っています。それまで日本の多くの芸術文化助成財団は、音楽または美術の分野を、さらに伝統的と位置づけられる芸術に対して支援していましたので、当財団では他とは異なる現代演劇と現代舞踊に対して助成を行うことにしました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

これまでに当財団では、行政や他の民間の助成・支援団体が行っていない助成プログラムや支援方法の可能性を探り、実施して参りました。当財団のこうした活動は、日本における芸術文化助成や支援の考え方そのものにインパクトを与えてきています。その結果、行政や民間の団体で、当財団の助成プログラムの仕組みなどを取り入れたり、参考にしたりしているところもあります。当財団の活動が、このように芸術文化への「助成」のひな形、あるいはスタンダードとして認識され、社会に貢献していると実感したときに遣り甲斐を覚えます。

さらに当財団では、複数年にわたる継続的な助成がほとんどですので、助成が決定したあと、助成対象者と頻繁に連絡を取り合い、それぞれの公演などの活動を見たり、相談に乗ったりして、時間をかけながら緊密な関係を築くことができます。助成対象者とのこうした対話などから、舞台芸術界における新たなニーズや課題を発見し、当財団の将来の助成プログラムや支援のヒントとなった例がいままでにいくつかありました。その一つの例が、当財団が東京都江東区に所有・運営している森下スタジオという、演劇・舞踊専門の稽古用施設です。当時、助成対象者と話しをする中で、舞台芸術家たちにとって、助成金の他に、数週間などまとまった期間にわたり作品の創作と稽古に専念ができる場所が極めて必要であることが明らかになりました。1994年の開館から20年以上が経ちましたが、現在も毎日のように当財団の多くの助成対象者が利用しています。

このように支援した個人や団体が、それぞれに次の、あるいはさらにその先の段階に発展し、日本の舞台芸術界を牽引して行く姿を見ると、大きな喜びを感じます。

今後の夢と目標を教えてください

セゾン文化財団では、助成という方法を通じて、日本の現代演劇・現代舞踊で活動する、独創性や将来性が期待される芸術家や、芸術創造を支えるシステムと環境の改善に携わる人や団体を支援しています。そこには、日本の舞台芸術家たちが自由に才能を活かしながら、よりよい作品を創り出し、やがて国際的に影響力を持ちうる存在となり、それにより人々の相互理解が促進できればという願いがこめられています。また、芸術家にとって活動しやすい環境を整えることは、新しい価値の創造を育み、芸術文化以外の分野を含む日本の社会にとっても、大いにプラスになると考えます。こうした社会の実現に貢献することが、私たちの夢であり、目標です。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

現代演劇と現代舞踊での活躍を目指す若手芸術家への助成、および舞台芸術界における課題の解決などに取り組む団体等を支援する当財団の理念と助成活動にご賛同いただける皆様より、随時ご寄附を受け付けていますので、よろしくお願い致します。

取材者のコメント
古川勇樹 四半世紀に渡り日本の現代舞台芸術を支えてきた財団である。既存の助成や支援で行われていなかったプログラムや手法の開発に取り組み、この分野の支援、助成の流れに影響を与えてきたというお話が興味深かった。資金を助成するだけでなく、助成対象の芸術家たちと深くかかわり、そのニーズを汲み取ってスタジオを作るなど、支援者でありながら、当事者として芸術文化の振興に主体的、積極的に関わっていこうという姿勢が印象的で、芸術を育てる実践的な試みにこの後も注目したいと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 伊東勇
住所 東京都中央区銀座1-16-1 東貨ビル8階
TEL/FAX TEL:03-3535-5566/FAX:03-3535-5565
お問い合せ foundation@saison.or.jp
URL http://www.saison.or.jp/