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公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター

東京都

京都らしいまちの景観を守り、京町家を次世代に引き継ぐ

団体名・プロジェクト名

公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター

公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターの写真

活動エリア 京都市
ジャンル まちづくり 

主な受賞歴や実績

第2回まちづくり法人表彰「まちの活性化・魅力創出部門」において国土交通大臣賞を受賞(平成25年度)
米国「Travel+Leisure」誌「2013グローバル・ビジョン・アワード【文化部門】」を受賞(平成25年度)

この活動について教えて下さい

当財団は、市民・企業・行政によるパートナーシップのまちづくりを推進するための橋渡し役として平成9年に設立しました。設立以来、「地域まちづくり活動の促進」及び京町家の保全・再生等の「地域と共生する土地利用の促進」を2本の柱として、専門家や学識者、市民団体、ボランティアなど多様な主体との連携により、地域コミュニティや地域経済を活性化させ、「京都らしい景観の保全・創造」、「質の高い住環境の形成」など京都の都市特性を伸ばすことを目的として活動しています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

京都は、四季折々の美しい自然景観と寺社仏閣や京町家等の歴史的な建物、そして洗練された近代建築によって形成される都市です。それらは、地域の高い経済力と活力ある地域コミュニティを背景とした町衆の主体的なまちづくりに培われた暮らしの文化や美意識・価値観を反映しています。

近年も、国内外を問わず多くの観光客の支持を集めるなど、文化首都としての京都の存在感は益々高くなっています。

しかし一方では、少子高齢化や人口減少などを背景とする地域活力の低下、コミュニティの弱体化が進むとともに、駐車場や空き家が増加し、都市景観など京都の魅力の低下を招きかねない状況となっています。

いつまでも京都が京都であり続けるためには、こうした課題に果敢に対応し、これまで京都が蓄積してきた都市の魅力に新しい価値を付加し、さらに磨きをかけていくことが必要です。その取組の源は京都の市民力であり、住民・企業・行政の広範なパートナーシップによる地域まちづくりの推進が求められていました。

こうしたパートナーシップによるまちづくりを推進するためには,中立的な立場で住民や企業、行政といったまちづくりを担うすべての主体の橋渡し役などを担う第三者機関として、平成9年(※)に財団法人京都市景観・まちづくりセンターを設立し、活動をはじめました。(※平成24年4月1日に公益財団法人に移行)

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

私達は、地域の住民が自分たちのまちをより良くしたいという思いや、京町家を次の世代に引き継ぎたいといった思いに応えるため、まちづくりコーディネーターとして支援を行います。

地域のまちづくり活動を支援する際、外部の人間が地域に入ることで、地域住民が持っていない視点でまちを見ることができます。例えば、人を連れてきて引き合わせたり、ワークショップのような活動を企画します。こうした活動は、地域が抱えている課題への気づきや課題解決につながることがあります。自分の存在が少しでもまちの役に立ったということがやりがいでもあり喜びに感じます。

京町家に関する支援では、今でこそ、京町家はブームになるほど人気が高まっていますが、昔から京町家に住んでいる人々にとっては普通の家であり、維持管理が大変な古い家でしかない場合もあります。

次の世代に京町家を引き継ぎたいと思っても、様々な問題に直面し、一人で悩んでいらっしゃる方もあります。また、やむを得ず手放すことにはなったけれども、自分の家が引き続き京町家としてあり続けることを望まれる方もあります。こうした方々の悩みを伺い、京町家に関わる様々な分野の専門家におつなぎしたり、「京町家カルテ」といった事業を通して、様々な形で京町家の継承や再生のお手伝いができることがやりがいであり、喜びでもあります。

今後の夢と目標を教えてください

地域の課題を解決することは中々成果が見えにくく、またゴールもありません。京町家を引き継ぐことも相続の問題など、個人のデリケートな部分に触れるため解決は難しいものです。私たちの活動は、日々変わり続ける地域社会の課題に対応し、これまでの、「地域住民や京町家の所有者に寄り添いながら、まちづくりの多様な主体の“橋渡し役”“つなぎ役”を担う」という役割を大事にしながら、“京都が京都であり続けるため”に課題解決に向けた取組を進め、それぞれの地域が輝き続けるまちづくりを目指します。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

これまでの取組は、住民、企業、行政だけでなくボランティア、NPO、専門家、学識者など様々な主体のみなさまからの御協力により支えられてきました。また、賛助会員や篤志家の方々にもまちづくりの仲間として多大なる御支援をいただいております。

当財団の活動の主旨に御賛同いただける方は、ボランティアや賛助会員、寄附などどのような形でも構いませんので、温かい御支援、御協力をお願いいたします。

取材者のコメント
古川勇樹 京町家のある町並の景観は、京都で暮らしてきた人々の生活に触れるような、親しみやすい京都らしさを感じさせてくれる魅力的な観光資源である。しかし、そこで暮らす人たちからすると暮らし難い普通の古い家でしかない、という認識のギャップのお話が興味深かった。価値を感じる人もいれば、そうでない人もいる。京町家を残していくために、そういった価値観の違いの橋渡しをしていくことができるのも、この団体の皆さんが丹念に丁寧に京町家とその地域の人たちに向き合ってこられた経験の積み重ねがあってこそ、なのだろうと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 青山 吉隆
住所 京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83番地の1「ひと・まち交流館 京都」地下1階
TEL/FAX TEL 075-354-8701 / FAX 075-354-8704
お問い合せ machi.info@hitomachi-kyoto.jp
URL http://machi.hitomachi-kyoto.jp