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特定非営利活動法人 瀬戸内里海振興会

東京都

「里海」活動で、瀬戸内海の環境を守る

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 瀬戸内里海振興会

特定非営利活動法人 瀬戸内里海振興会の写真

活動エリア 広島県、山口県、岡山県
ジャンル まちづくり 教育・学習支援 美化清掃 自然保護 観光 

主な受賞歴や実績

平成23年度日本港湾協会企画賞
第9回日本パートナーシップ大賞 パートナーシップ賞(平成24年)

この活動について教えて下さい

■「瀬戸内海の海辺における自然体験活動・環境教育の振興」(平成16年~毎年)■ 次世代を担う子供たちや保護者を対象に、地域の海の役割やその実態を知り、高度成長期に失った干潟の保全意識を高めてもらうことを目的とした環境学習活動を瀬戸内海の沿岸各地で行っています。

■人工海浜緑化計画(「在来海浜植物種による瀬戸内海の海浜ビオトープ」再生計画)■ 広島県安芸郡坂町の水尻地先に造成された人工海浜(ベイサイドビーチ坂)に、瀬戸内固有の自然海浜を再生するため、平成22年度~24年度の3カ年における海浜植生の再生活動を目的として当会と、広島工業大学「グリーンプロジェクト(GREEN project)」が協働して行った事業です。

■広島県東部海域保全活動■ 尾道市浦崎町(灘干潟・海老干潟)、尾道市百島町(海老呑干潟・百島干潟)の人工干潟の維持管理を行いました。不陸整地事業(撒き出し・不陸整正)と食害対策並びに稚貝定着促進作業を主に行い生物生産に寄与できるよう活動をしました。

■せとうち海岸漂着ごみ対策推進事業■ 海岸漂着物処理推進法が制定され、全国で海岸漂着物への関心が高まっており、ボランティア団体等により海岸清掃が実施されています。今後、海岸清掃を継続実施していくため、清掃活動の課題等を把握し、関係者が連携・協力した対策を検討・推進する資料として海岸清掃しているボランティア等を対象に、アンケート調査を実施し,平成25年度における海岸清掃の活動及び回収量等を調査しました。また、現地調査・意見交換会も実施しました。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

瀬戸内海は古来より大陸諸国から近畿圏の古代首都群へ至る交通の要衝であり多様で豊かな自然を育みつつ生産や交流の場として地域の暮らしを支える生活の基盤でもありました。しかしながら、昭和40年代後半に瀬戸内海の産業発展のために、市民が親しめる沿岸域が喪失すると同時に水質の悪化が進みました。

現在、規制のみで環境保全を行うのではなく、積極的に人の手を加えることにより自然が保たれる「里海」の概念がうまれ、世界的にも支持を得られつつあり、今や国際的にも「SATOUMI」として取り上げられています。

私たち市民生活の母体であり、地域固有の環境や文化を育んできました瀬戸内海沿岸域、並びに島嶼部に、潮干狩りや魚釣り、海水浴など、かつては日常的に行われた自然との触れ合いも少なくなり人々の関心が薄くなる、いわゆる「海離れ」が進んでいます。

そこで、多くの市民が「里海活動」の「場」に参加しながら学び、研究し、情報を発信することで、里海の保全と地域の活性化を目的としています。また、瀬戸内海の保全、創造、再生、活用に関する調査研究なども行っています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

沿岸域は、行政上の制約事項が多く、あわせ、危険、汚いなどの想いが払拭され、潮干狩り、自然観察を通じて、こどもたちが喜ぶ姿を垣間見られたとき。また、漁業組合員と協働して、干潟保全活動をして喜ばれたとき等です。

今後の夢と目標を教えてください

高齢化が急速に進み、市民の目線での「海」を語れる人が少なくなりました。今までの活動実績から、NPOとして政策課題を具体的に提案する時期になり、使命の大きさを感じながら、後継者づくりと、他の団体との協働等を通じて安定的な組織基盤を強化することが急務となっています。第三者による組織評価も得ながら、より一層の市民性の向上に努めることを目標としています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

海を楽しみながら自然を通じて、地球規模の環境に思いを馳せて頂きたいです。また、流域ごとの、やま・かわ・うみの水循環を通じて、自然治癒力が発揮できる社会構造に、変貌させるために共に活動しましよう。

取材者のコメント
古川勇樹 積極的に人の手を加えることにより自然が保たれる「里海」という考え方が大変興味深いと思った。「里海」という海との付き合い方には、人が自然から恵みを受け取りながら自然と調和して暮らしていくための多くの知恵が詰まっているように思える。そこで、人々の関心が薄れる海離れや海を語れる人材の高齢化などの課題があると伺い、これまで蓄積されてきた知恵が失われようとしているのではないかと危機感を感じた。この団体の活動を通して、海と人との関係に多く人が目を向けるようになってほしいと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 田坂 勝
住所 広島市中区上八丁堀8番10号 クロスタワー6階
TEL/FAX TEL:082-298-1221/FAX:082-298-1220
お問い合せ office@satoumi.org
URL http://www.satoumi.org/