NPO法人農音

東京都

離島・中島の魅力を発信し、移住希望者をサポートする

団体名・プロジェクト名

NPO法人農音

NPO法人農音の写真

活動エリア 愛媛県松山市・中島および関東圏
ジャンル 地域活性化 

主な受賞歴や実績

第5回地域再生大賞記念賞
任意団体としての活動開始から3年半ほどで中島への移住者約30名を達成

この活動について教えて下さい

愛媛県の離島・中島にて柑橘栽培と地域活性活動を行っています。農音では、都心部から中島へ移住した若者らが「地方暮らしの実態」に関する情報をWeb媒体等を通じて発信しながら、地方が持つ可能性のPR、そして都心部から中島への移住を検討する人たちへの情報提供と移住サポートを行っています。同時に、地方での経済基盤を底上げするため、中島の名産である柑橘を「真ん中ブランド」としてブランディングし、栽培技術の継承と販路の拡大に取り組んでいます。

農音の特徴は、現地の中島および首都圏の2拠点体制で活動していることです。PRや営業活動の中心地である首都圏にメンバーがいることで、より柔軟・迅速な対応ができる体制となっています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

農音の発起メンバーは、都心部でライブ活動をしていたバンドマン達が中心となっています。音楽で自己表現をするバンドマン達にとって、自分たちが生活する環境や社会への疑問はたやすく見逃せるものではなく、代表の田中が当時働いていたスタジオに集まっては毎晩のようにさまざまな意見やアイデアを交換していました。その中で出てきたアイデアが「都心部から地方部への移住促進」です。

現在、地方部では若者人口の流出による過疎化が深刻化しています。その一方で都心部では人口の過密、ワーキングプアや引きこもり、都市生活に馴染めない人々が精神的に追い詰められてしまうなどの問題があります。

であれば、都心部での生活に疑問を感じる人々が地方へ移住し、不足する若者人口を補うことができればWin-Winの関係が築けるのではないかと考えたのが発端です。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

農音は、地方活性団体としては恐らく異色な「移住者によって作られた団体」です。島民の方々にとっては「どこの馬の骨ともわからない連中が突然やってきた」と思われても当然の中、まずは島での生活や文化を知ること、今の島の暮らしを理解し、支えることを重視してきました。そういった中で島民の方々からも徐々に理解やご協力が得られるようになり、「農音がいるから中島は大丈夫だ」と言っていただけたときには非常に嬉しいですし、同時に期待に応えられるよう改めて身が引き締まる思いになります。

また、移住希望者への中島案内や情報提供も活動の中で行っていますが、同じ「移住者」の目線から中島を紹介できるのは大きなポイントになっていると感じます。他地域、都市部での生活を理解した上で中島のありのままを共有することで、移住希望者の持つイメージとのミスマッチが事前に防げているのではないかと思います。

今後の夢と目標を教えてください

中島のこれまでとこれからを見据えながら、中島のよりよい生活を島民・移住者共に考えていきたいと思います。とはいえ、何が「よりよい生活」なのかは人によってさまざまですし、その時その時の社会情勢によって変化するものと考えています。地方、そして離島という小さなコミュニティの利点を活かして、地域の人々、移住者との間で細やかなコミュニケーションが可能な関係作りをめざし、日々発生するさまざまな課題に地域で取り組んでいけるような体制を作ってゆければと思います。

また、中島での活動で得たノウハウを他の地方部へも展開し、さまざまな地方の魅力発掘と移住促進活動を行うことで、地方が、ひいては日本全体が元気になれればと考えています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

「自然豊かな地方でのんびりと暮らす」…都市部で生活する人たちの多くが、一度はそんなイメージを持つことと思います。しかし、過疎化・高齢化の影響で「のんびり暮らせる」魅力的な地方はが、次々と衰退しているのが実情なのです。この美しい瀬戸内の海に浮かぶ中島も例外ではありません。日本有数の柑橘畑を継承したい、自然豊かな中島を新たな観光スポットにしたい、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんたちの話し相手になって元気を分けてあげたい…中島にプラスになりそうなことであれば、どんなモチベーションでも構いません。「中島でこれがやってみたい!」という思いを持った方には、ぜひ一度中島を訪れていただけたらと思っています。

また、農音は中島と首都圏の2拠点で活動していることから、各種Webサービス等を活用して日々の業務を行っています。Webサービスに慣れている方であれば、遠隔でもご参加いただくことは可能です。農音の活動に関して「こんなのはどうだろう?」というアイデアやスキルをお持ちの方、ぜひお気軽にお問い合わせください。

取材者のコメント
古川勇樹 都市から地方への移住者が、移住先の地域で活性化の活動を行っているところに特色がある団体である。地方移住は、国の政策となるなど、地方の人口減少問題の対策として注目が集まっているが、移住した人たちが移住先のコミュニティに定住してこそ、意味がある。そのためにも、都会と地方の両方の人たちの考えを理解している移住経験者たちのこういった活動は、移住希望者の持つイメージのミスマッチを事前に防ぎ、地方移住を成功させるうえで大変効果的であるだろうと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 田中佑樹
住所 愛媛県松山市宮野534-1
TEL/FAX 089-997-0255
お問い合せ info@noon-nakajima.com
URL http://noon-nakajima.com/