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NPO法人 仙台グリーフケア研究会(略称 グリ研)

東京都

死別の深い悲しみを話せる場を作り、生と死に向き合う人をサポートする

団体名・プロジェクト名

NPO法人 仙台グリーフケア研究会(略称 グリ研)

NPO法人 仙台グリーフケア研究会(略称 グリ研)の写真

活動エリア 主に宮城県内(仙台、石巻、気仙沼)
ジャンル 医療・福祉 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

大切な人との死別によるグリーフ(深い悲しみ)を抱えた人たちが、安心して自分の気持ちを話せる「わかちあいの会」の活動を行っています。

この活動について教えて下さい

大切な人を亡くした方のグリーフ(深い悲しみ)に向き合う活動・グリーフケアの実践活動として、大切な方を亡くした方々が集まって安心して自らの気持ちを話す事が出来る「わかちあいの会」を行なっています。日常の生活ではなかなかグリーフについて語る事が出来ないと思いますが、それは死別やグリーフについて語るといろいろと周りの方から評価、批判、非難、比較という様な意見を言われてしまうからではないかと思います。わかちあいの会では、自分の気持ちを語り、その事を誰にも批判されたりせずに、また会の中で語られた事は他では話さないというルールで、安心して自分を語って頂こうとしている会です。

悲しみという言葉だけでは伝えきれない複雑な気持ちを安心して話せる場所としてのわかちあいの会は、2006年から継続して行なっています。この活動は、大震災を経験した事も大きく影響しています。震災に限らず人は誰でもいつでも大切な人の死に直面する可能性があるので、グリ研では今後もこのグリーフケア活動を長く継続して行かなければならないと思っています。また活動を行うための基礎となる、グリーフ、グリーフケアなどを勉強する講座、生と死に向き合う講演会などを開催し、グリーフケアの普及・啓発も行なっております。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

2003年に理事長の滑川があしなが育英会の学生等が書いた『自殺って言えなかった』(サンマーク出版)を読み、自死遺族、自死遺児に何か出来ないかとあしなが育英会に連絡を取ったところからグリ研の活動が始まりました。あしなが育英会の西田正弘氏と繫がり、同氏の指導のもと、仙台で自死遺族のわかちあいの会を仙台で始めたのが2006年9月。その後、自死以外の原因で亡くなった方の遺族のわかちあいの会を2009年3月から開始し、2010年12月に大切な人を亡くした子どものグリーフサポートプログラムを始めました。2011年東日本大震災を経験し、震災遺族ばかりでなく亡くなった原因を問わずグリーフケア=「わかちあいの会」を宮城県内数ヶ所で行っています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

大切な人を亡くして、どうやって生きていったら良いのかわからないという様な気持ちを抱えて来られた方が、繰り返し「わかちあいの会」に参加し、毎回涙を流してお話しされる中で、亡くなった人とのつながりを再認識されて、生きる事を受け入れていかれる姿を見る事が有ります。その時に感動や満足を感じている自分がいて、人のためと言いながら結局は自分のために活動している自分を再認識する一方、そのような事に関わる事が出来ている自分はやはり幸せ者だと感じています。

今後の夢と目標を教えてください

命には限りが有るのがどうにも動かしがたい真実であるとすると、死別の体験は誰の身にも起こりうる事だと思っています。さらに、現代は死が日常生活からどんどん切り離されている時代です。したがって、死別によって沸き起こる感情に人として対応する事がだんだん難しくなる時代が迫っているのではないかと考えられ、それ故にグリーフケアの活動は、今後、ますます必要となると感じています。グリ研では、今後も長くグリーフケア活動を継続して行く事を何よりも大切な事であると思っております。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

グリーフケアを必要としている人は数多く、そしてグリーフケアに関わる事は、自分の人生を見直すためにとても良い機会が得られます。実際、スタッフとして関わって頂ける方には養成講座などを受講して頂き、トレーニングを積んでファシリテーターとなって頂きたいと思います。またグリ研の会員となり一緒に勉強しながら資金面での応援をして頂く事も出来ます。一人でも多くの方に関わって頂きたいと願っております。

取材者のコメント
古川勇樹 「現代は死が日常生活からどんどん切り離され」ており、「死別によって沸き起こる感情に人として対応する事がだんだん難しくなる」というお話に考えさせられた。フィクションの世界で人の死に接することはあっても、普段私たちは、現実の身近な人の死について考えることを無意識に避けている。そして、多くの人は実際に身近な人の死に直面して初めて、制御できない感情に混乱したり、呆然と何も考えられなくなったり、死を受け止めることの難しさを知るのかもしれない。わかちあいの会のように、立ち直るために安心して自分と向き合える場所が、これからもっと必要とされていくのだろうと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 滑川 明男
住所 宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡5番地 みやぎNPOプラザ内
TEL/FAX TEL:070-5548-2186
お問い合せ griefoffice @gmail.com
URL http://www.sendai-griefcare.org/index.html