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公益社団法人日本キャンプ協会

東京都

キャンプを通じた教育、社会貢献

団体名・プロジェクト名

公益社団法人日本キャンプ協会

公益社団法人日本キャンプ協会の写真

活動エリア 全国(福井県を除く46か所に都道府県キャンプ協会を設置)
ジャンル その他 医療・福祉 学術・文化・芸術・スポーツ 市民活動団体の支援 教育・学習支援 環境全般 

主な受賞歴や実績

1966年の協会設立以降、これまでにのべ13万人を超えるキャンプ指導者を養成してきました。また、認知症キャンプ、グリーフキャンプなど、社会課題に対応するキャンプにも取り組んでいます。

受賞歴
『認知症でもだいじょうぶ』町づくりキャンペーン2007 町づくり2007モデル

この活動について教えて下さい

「キャンプ」と一口に言っても、さまざまなものがあります。家族や友だちと行くレジャーとしてのキャンプをイメージされる方が多いかと思いますが、日本キャンプ協会が中心的に扱っているのは、教育的目的をもって行われるオーガナイズド・キャンプ(Organized Camp)というものです。組織キャンプと呼ばれることもありますが、キャンパーの成長を意図してさまざまな事前準備を積み重ねたうえで行われるキャンプです。

オーガナイズド・キャンプには、「自然の中での活動」「グループでの生活」「挑戦の要素のある活動」といったキャンプの特徴を十分に理解した指導者の存在が不可欠です。「キャンプインストラクター」「キャンプディレクター」といった資格制度を設けて、指導者養成を行い、キャンプの普及を図るのが私たちの仕事です。

全国46の都道府県キャンプ協会が指導者養成の講習会を行うとともに、一般向けの普及事業、指導者のブラッシュアップのための研修会などを行っています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

日本キャンプ協会は、1966年にキャンプの教育的意義を広めることを目的に設立されました。当時もYMCAやYWCAをはじめ、キャンプを実施している団体は多く存在しましたが、オーガナイズド・キャンプを社会的ムーブメントとするためには、一致団結することが必要だということで、関係する多数の団体が集まって協会を設立したのです。

当時は、レジャーとしてのキャンプが普及しはじめたころで、マナーの悪さを批判する声もあがっていました。だからこそ、「キャンプは楽しいだけじゃない!」と知ってもらいたいという気持ちが高まったようです。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

事務局で働いているとそう多くの機会はありませんが、やはり直接にキャンパーと接し、キャンプの中で生じる変化を目の当たりにすると、やはり「キャンプはいいなぁ」と思います。

東日本大震災をきっかけに取り組みを始めた「グリーフキャンプ」という、大切な人を亡くした子どもを対象としたキャンプがあります。キャンプの共同生活を通じて安心して話せる相手を見つけたり、非日常の活動を通じて「ぼくにはこんなこともできる」と気づいたりしながら、悲しみと付き合う方法(コーピングスキル)を身につけるものです。

キャンプでの日々を重ねるごとに表情や発言が変わっていく子どもたちの様子に、ほんの数日のこととは思えない成長が感じられて、キャンプのすごさに改めて驚くのです。

今後の夢と目標を教えてください

協会が設立されてから50年を迎えようとしています。キャンプが人を育てるということ自体に違いはありませんが、人を取り巻く社会はこの50年で大きく変化しています。だから、社会をよくするためにキャンプができることの幅も、今まで以上に広がっていると思うのです。

目標のひとつは、Special Needs Campを広げることです。これは特別な配慮を必要とするキャンプのことで、先に紹介した「グリーフキャンプ」もそのひとつ。障害のある人や、重い病気の子どもたちを対象としたキャンプもこれにあたります。虐待などが原因で、つらさを抱える人を対象としたキャンプなども考えられます。

海外では、これらのキャンプがたくさんの寄付を集める形で多数行われています。日本で同じ環境をつくるのは至難の業ですが、社会で人を支えるという文化をより豊かにできるよう、少しずつ取り組んでいきたいと考えています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

オーガナイズド・キャンプ(Organized Camp)には、「きちんと準備したキャンプ」という意味もあります。よいキャンプというのは、たくさんの準備が必要で、実はとても面倒なものです。けれど、きちんと準備したキャンプでは、キャンパーは確実に成長を遂げます。キャンプは、面倒だけれど、それに見合う喜びを見いだすことのできる活動なのです。

キャンプは楽しさが基本にある活動です。学ばなければならないことも多くありますが、それ自体を楽しむことができると思います。ぜひ、キャンプを支える活動に参加してください。

取材者のコメント
古川勇樹 都会の利便性に慣れた人にとって、アウトドアレジャーはハードルが高い部分がある。電気や水、冷蔵庫、火など普段当たり前にあるものが無いことを踏まえて準備する必要がある。とはいえ、その不便さを含めて非日常の時間を楽しむのがキャンプの醍醐味であるのだろう。だから、キャンプを良く知る人たちに、事前準備を含めて安全で充実した、マナーも守れるキャンプをナビゲートしてもらえれば、続けてキャンプを楽しもうという人たちが増えるに違いないと思った。キャンプに慣れた人が増えれば、Special Needs Campを支援できる人も増え、特別な配慮を必要とする人たちがより多く参加できるようになるだろうと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 会長 星野敏男
住所 東京都渋谷区代々木神園町3-1国立オリンピック記念青少年総合センター内
TEL/FAX TEL:03-3469-0217  FAX:03-3469-0504
お問い合せ ncaj@camping.or.jp
URL http://www.camping.or.jp