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公益財団法人土門拳記念館

東京都

土門拳の作品を守り、地域の文化に寄与する写真美術館

団体名・プロジェクト名

公益財団法人土門拳記念館

公益財団法人土門拳記念館の写真

活動エリア 酒田市にある写真展示館「土門拳記念館」を拠点に、広く地域内外へ
ジャンル 学術・文化・芸術・スポーツ 

主な受賞歴や実績

1989.6月 日本最初の写真美術館として、日本写真協会功労賞受賞
2001.12月 写真文化発展に貢献したとして、第27回日本写真家協会賞受賞
2009.1月 写真文化の普及発展に尽くした功績に対し、第58回河北文化賞受賞

この活動について教えて下さい

土門拳記念館は、昭和の日本を代表する写真家である土門拳の全作品を収蔵する写真美術館です。公益財団法人土門拳記念館は、酒田市からの指定管理者として酒田市写真展示館「土門拳記念館」の管理運営を行い、展示事業等を通じ、土門拳の写真芸術を紹介するとともに、所蔵原板及び写真作品の保存と活用、資料提供等、教育・学術文化の振興に関する事業を行い、もって地域文化の発展に寄与しようと努めています。

具体的には、テーマごと年数回展示替をする作品展示、拳ちゃんこどもまつり、ミュージアムコンサート、誰でも参加できる写真展「わたしのこの一枚」の開催、地域の中学生へのわかりやすいパンフレット配布、他館での土門拳展等への協力、土門拳賞受賞作品の展示と収蔵、酒田市土門拳文化賞の公募と受賞作品の展示・収蔵などです。

昭和が遠くなるにつれ、土門拳の名を知っている方も年々少なくなってきていますが、日本の文化と心、生きている人間の魂を撮り続けた土門拳の作品は決して古びることなく、現代に生きる我々に、記録と記憶、そして新たな発見と感動、思慮、表現をもたらします。

また、土門拳記念館は、出羽富士と呼ばれる美しい鳥海山が見える公園の中、設計:谷口吉生、庭:勅使河原宏、彫刻:イサムノグチ、銘板等デザイン:亀倉雄策、と土門とゆかりのある各界一流の芸術家たちによって、美術館全体の空間がかたちづくられています。

こうした空間を守り、ご来館の方々に良い時間を過ごしていただく、また、土門拳の作品を後世にも伝えていく、それを心がけています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

土門拳は1909年酒田に生まれましたが、幼少時しか酒田にはおらず、数十年間縁の遠いふるさとでした。昭和40年代当時、市民の間から日本を代表する偉大な写真家「土門拳」を名誉市民にという声が高まり、昭和49年、土門拳は酒田市名誉市民第一号となりました。改めてふるさととのつながりにとても感激した土門は、「自分の全作品は酒田市に寄贈する」と突然表明したそうです。それをきっかけに、土門拳の全作品を収蔵展示する写真展示館「土門拳記念館」が建設され、同時に、運営組織である財団法人土門拳記念館が設立されました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

土門拳という人、表現した作品の数々、そしてここ土門拳記念館という場、土門拳を(人物をそして作品を)大事に思う方々の思い、いずれも力が大きく、深く、素晴らしいものだと思っています。まず、そこに長い間自分が携わっていられるということに感謝と喜びを感じます。土門拳作品に触れた方々、ご来館の方々の満足度・充実度に少しでも貢献できることで、やりがいを感じます。もちろん日々はこまごまとした煩わしさや課題が次々と出現しますが、核となる喜びを忘れずに過ごしていきたいです。

今後の夢と目標を教えてください

「写真」と一口に言っても、その方法も考え方も、とても多様です。ここは土門拳の写真美術館として土門拳作品を大切に守っていくのは当然ですが、さらに広く多様な写真文化の入り口に、そして写真交流の交差点になっていくことができれば、とても良いと思います。土門拳記念館があることで、意識が活性化し、観光を含む地域の盛り上がりや、こどもたちの教育に貢献できればと思います。

また「写真は人間を幸福にする」とおっしゃった方がいましたが、それは、写真を見ること・表現することで、世界中の人が、感じる・考える・表わす・伝える力が高まる、それが、それぞれの人生を高める、対話を開く、ひいては世界の平和までつながる、そういう意味ではないでしょうか。その小さな入口として、より多くの方々にご来館いただき、土門拳記念館が存在感を保っていくことが目標です。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

まずは一人でも多くの方に、ぜひ土門拳記念館にご来館いただけるよう、お待ちしております。そして、土門拳の作品とこの館について、ぜひ周辺で話題にしてくださいますよう、よろしくお願いたします。

取材者のコメント
古川勇樹 土門拳という写真家の名前を知る人は少なくなっているかもしれないが、その作品や作品を守っていこうという人たちが残っていることで、この地域に写真や芸術に親しむ文化が、長く根付いていくのではなだろうかと思った。土門拳を知らなくても、酒田に写真美術館があることで、土門拳の作品に触れる機会がこの町にはたくさんある。教科書に出てくる有名人の顔写真や人々の暮らしぶりを印象的に捉えた写真の数々を、その写真の背景の解説とともに鑑賞する場があることが、彼の偉業や写真という芸術手法の持つ力を伝え続けることだろうと思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 高橋修
住所 酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
TEL/FAX 0234-31-0028(TEL/ FAX共通)
お問い合せ domonken@taupe.plala.or.jp(代表)
URL http://www.domonken-kinenkan.jp/