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特定非営利活動法人 伊万里はちがめプラン

東京都

生ごみから有機堆肥を作って地域の問題を解決

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 伊万里はちがめプラン

特定非営利活動法人 伊万里はちがめプランの写真

活動エリア 佐賀県
ジャンル 地球温暖化防止 環境全般 

主な受賞歴や実績

■受賞歴
平成13年12月08日 経済産業大臣賞 第11回地球にやさしい作文活動報告コンテスト(読売新聞社)
平成14年09月06日 元気大賞2002 大賞(元気なごみ仲間の会)
平成14年12月19日 未来の佐賀をみんなでつくる県民提案 優秀賞(佐賀県知事 井本勇)
平成14年10月29日 環境貢献賞 (財団法人ソロプチミスト日本財団)
平成15年08月02日 第6回 KBC水と緑の大賞  大賞(九州朝日放送株式会社)
平成16年03月26日 環境水俣賞 (共生部門) 大賞(2003年度水俣市)
平成16年06月12日 第1回 佐賀環境大賞 グランプリ(株式会社 サガテレビ)
平成16年11月10日 ふるさとづくり賞  主催者賞(明日の日本を創る協会)
平成16年12月16日 バイオマス利活用   優良表彰(バイオマス利活用協議会)
平成17年10月24日 新エネルギー大賞 新エネルギー財団会長賞(新エネルギー財団)
平成17年12月08日 17年度立ち上がる農産漁村に選定される 農村政策推進本部(本部長 小泉首相)
平成18年10月20日 リデュース・リユース・リサイクル推進 功労者賞(3R推進協議会)
平成19年03月26日 第10回 環境コミュニケーション大賞 テレビ環境CM部門審査委員会特別賞(環境省)
平成19年10月18日 食品リサイクル推進環境大臣賞 奨励賞(環境大臣 鴨下一郎)
平成20年09月19日 第3回 ソーシャル・ビジネス・アワード ソーシャル・エコビジネス賞 最優秀賞(NPO法人S・Iジャパン)
平成20年10月24日 循環型社会推進形成功労者 環境大臣賞(環境大臣 斉藤鉄夫)
平成20年11月09日 共生・地域文化大賞[法然上人 800年大遠忌 記念事業](浄土宗)
平成20年12月06日 エコで賞イン佐賀コンテスト 最優秀賞[全国大会出場](一村一品知恵の環づくり佐賀県代表選考委員会)
平成21年02月15日 地球温暖化防止貢献 優秀賞(エコで賞全国大会審査委員長 松橋隆二)
平成21年03月27日 佐賀県環境にやさしい県民運動推進 功労者賞(佐賀県環境にやさしい県民運動推進会議)
平成22年11月27日 第7回パートナーシップ賞(NPO法人パートナーシップサポートセンター)

■白書への記載
平成15年 第156回 通常国会提出の「循環型社会白書」に記載
平成16年 内閣府による「国民生活白書」に記載
平成16年 九州農政局による「九州農業白書」に記載
平成17年 第162回国会(常会)提出の環境の保全に関する施策に記載
平成17年 環境省「子供環境白書」に記載 

この活動について教えて下さい

生ごみの堆肥化という事業は、ひとつの小さな、取るに足りないような活動に見えますが、この小さな活動は市民に地域の問題を一緒になって考える場を提供するだけでなくて、環境改善の具体的な行動の場を提供するものだと確信しています。事実この事業の推進に伴い、生ごみ排出事業者や、はちがめ堆肥を利用する農家のみならず、地域住民の「環」が着実な広がりを見せています。市民自らによる生ごみステーションの設置や、各種団体など有志による、総合的環境保全事業「伊万里『環の里』計画」、さらに佐賀大学の地域貢献事業「はちがめエココミねっと」、菜の花愛好家による「佐賀県菜の花エコプロジェクトネットワーク」、それを支援する高齢者グループによる「いまり菜の花の会」の誕生、さらに市内の小学校4校の3・4年生約300名に対して総合学習による環境教育の実施(平成14年開始)などがその証ではないでしょうか。

■活動の目的
地球温暖化問題は、異常気象や海面上昇などのみでなく食糧危機まで誘発する複雑な構造に発展しています。これらの環境対策として新技術の開発や進歩は重要なことでありますが、まず、各地域の一人一人の意識づけ・心がけを「小さな活動の積み重ね」として増やし、結び付けながら解決・改善しなければならない状況となっています。当法人の所在地である伊万里市(平成3年当時約6万人)では、可燃ごみの焼却量は1日35トン、年間3.5億円もの大金を使い焼却処分し、約2,000トン/年の焼却残灰を排出しており、その残灰の捨場もすでに社会問題化していました。私達は、このような地域社会の問題解決のため、地域住民の環境意識の向上を図りつつコミュニティを再構築させ、身近な生ごみを分別回収して堆肥化などの資源化、リサイクルを実施し、CO2の削減・行政経費の節約・市民が参加したまちづくりの推進と共に、現在の素晴らしい地球環境を守り未来の子供達へ手渡すことを目的としています。

■活動内容・成果
生ごみの取り扱いについては、一般家庭から出る少量の生ごみも、飲食店・スーパー等から排出される大量の生ごみも法的には一般廃棄物であり、処分及び資源化は市町村の「責務」となっています。そのことから、私達は伊万里市が近い将来、行政経費の節約と環境保全の面から生ごみ堆肥化を「政策」として実施することを想定し、佐賀大学農学部の協力を受け微生物による本格的な生ごみ堆肥化実証実験を開始しました。

全国的に生ごみの堆肥化事業については、市町村が基盤整備を行ない市民団体や企業に運営を委託している事例が殆どであることから、伊万里市が協働事業として進めやすい体制を整えるため、平成15年NPO法人としての認証を受け非営利活動団体として今日に至っています。

最初3軒から始まった生ごみ分別堆肥化活動も多くの課題を背負いながら、現在では市民の生ごみステーション27ヶ所250世帯、食品関連71事業所の参加協力によって年間約500トンの生ごみを分別回収し、約250トンの微生物(放線菌)を多量に含んだ良質な有機堆肥を生産しています。その堆肥は環境保全型農業や菜の花プロジェクト活動等に有効に活用すると共に、家庭菜園やガーデニング愛好家などにも好評を頂いています。結果として焼却費約1,000万円の削減と1,000トンものCO2の発生抑制に寄与しているとの試算をいただいており、微力ながら行政経費の節約と共に地球環境に優しい取り組みと自負しています。

環境啓発活動の一環として毎年、環境フォーラムや環境学習会の開催のほか年2回、春と秋に「環境杯」グランドゴルフ大会(1回約500名)を「いまり菜の花の会」と協働で開催し、秋の大会では参加者に菜の花の苗とはちがめ堆肥を配布し菜の花栽培の普及を図っています。最近は、各地の保育園と地元老人会とが連携した菜の花栽培を勧め、毎年市内全園児による菜の花図画展を市民図書館で開催するなど好評を頂いています。また、全国各地からの視察見学者(年80~100名)及びJICAの紹介による東南アジア等海外からの研修生(年40~50名)を毎年受け入れる中で食資源循環の必要性を訴え、微力ながら国際協力にも貢献しています。さらに市内4校の小学3~4年生約300名に対し、毎年環境教育(13年継続)を行ない、体験学習による資源循環の大切さを指導すると共に子供達から保護者へそして地域住民への環境意識の拡がりを図っています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

市民の日常生活や経済活動等によって大量に排出される生ごみ(可燃ごみの約40%)を燃えるごみとして市民の大切な税金で焼却処分を行っていることの“もったいなさ”に気付いた飲食店や旅館の経営者が中心となり「生ごみ資源化研究会」を立ち上げたのが平成4年です。生ごみの質や量など実態調査を行う中で、そこから見えてきたことは、大量生産・大量消費・大量廃棄という一方通行でしかない現代社会のシステムの“おかしさ”でした。そこで私達の研究会は、有機資源の地域内循環による「まちづくりの一環」としての生ごみ堆肥化を検討し、平成9年 市民の参加と伊万里商工会議所の支援を得て、「生ごみ堆肥化実行委員会」を結成、愛称を「伊万里はちがめプラン」とし、本格的な堆肥化活動を開始しました。生ごみを堆肥に変える微生物の学習や環境保全の啓発活動と併せて、伊万里市へ「生ごみ資源化の政策提言」を行う等、紆余曲折を経て、平成12年、多方面の方々の協力と支援を受け、現在地に待望の生ごみ堆肥化実験プラントを完成させ生ごみ堆肥化の実用化に向けた実験を開始し今日に至っています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

生ごみ資源化に対して市民の皆さんの理解が進み生ごみ分別の協力者が増えた時や、環境保全型農業の実践者が堆肥化プラントを訪問され、完成したはちがめ堆肥を見て手で触れて、感動される姿を見る時など、苦労が全部洗い流されます。

今後の夢と目標を教えてください

①伊万里市全体の生ごみ堆肥化事業を目指して
伊万里市が中心となって進めている4市5町からなる広域ごみ焼却場(溶融炉)は、平成28年1月供用開始の予定で建設工事が進んでいます。このような事情から「はちがめプランの生ごみ堆肥化活動」を更に継続発展させ、広域ごみ焼却場の建設と並行して、伊万里市全体の生ごみ堆肥化事業を市に対して「政策提言」を行い、市民・企業・農家・NPO・行政が主体性を持って活動する「真の協働事業」を展開し、持続可能な「環境都市いまり」の実現を目指します。

②はちがめプランの活動のノウハウと堆肥化技術の移転・支援事業の実施
永年培ってきたはちがめプランの活動を総括し、他の地域や将来に対して当該活動の形態を伝えやすくするため「マニュアルテキスト化」を行ない、全国各地の希望する市民団体や自治体に対して、活動のノウハウと技術の移転・普及のためのハンズオン支援事業を計画し、モデル事業を進めています。各地に「はちがめプランモデル」を拡める事で各自治体の行政経費の節約と共に更なるCO2の発生抑制による地球温暖化防止活動の推進を目指します。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

はちがめプランの会員になって頂き、「 生ごみを宝に」の活動を支援して下さい。はちがめプランの環境活動の趣旨をご理解していただいた上で、皆様方の地域の大切な資源である生ごみの堆肥化に取り組んでください。その時は私達がお手伝い致します。

取材者のコメント
古川勇樹 もったいないという気持ちから何かしたいと思うのは自然なことかもしれないが、そこから行政の経費削減やCO2排出量削減、有機堆肥による青果物の生産販売まで、多大な成果を達成れたことに驚いた。そこに至るまで、生ごみの収集作業や堆肥プラントの管理など、日々休みなく続く活動を継続してこられた努力が見事に実を結んだのだと思った。その試行錯誤から生まれたノウハウをマニュアル化し、他地域へ技術移転していく事業も行われているとのお話であるが、はちがめプランの導入事例や成功例が増えていくことで、行政や企業の積極的な参加につながるなど、多くの主体を巻き込んだムーブメントになっていくかもしれないと可能性を強く感じた。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長 福田 俊明
住所 佐賀県伊万里市大坪町狩立2436-1
TEL/FAX TEL 0955-22-4058/FAX 0955-22-4058
お問い合せ hatigame@orion.ocn.ne.jp
URL http://hachigame-plan.org