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日本ウミガメ協議会

東京都

守るのはウミガメだけじゃない。
環境、文化、そして人とのつながりがそこにある。

団体名・プロジェクト名

日本ウミガメ協議会

日本ウミガメ協議会の写真

活動エリア 国内
ジャンル 自然保護 

主な受賞歴や実績

詳細はコチラをご参照ください。
http://www.umigame.org/

この活動について教えて下さい

ウミガメに関する情報の全国的なとりまとめと地域の枠をこえた保全活動です。従来、ウミガメに関する情報や保全的活動は、各地の海辺のおじいさんたちが行っていたんですね。まさに「亀仙人」です。(笑)でも、彼らは研究者じゃないので、活動の成果を論文発表するわけではありません。地域的にバラバラだった保全活動や情報を一つにまとめてネットワーキングする母体が必要でした。90年に鹿児島市で第1回目の「日本ウミガメ会議」がもたれました。初めて、全国の亀仙人たちが集い、互いの活動を認識することができたのです。そうした活動の積み重ねによって、例えば、アカウミガメの産卵地の分布には黒潮が関わっていて、その中心は屋久島であるなど、日本のウミガメの全体像が見えてきました。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

先に申し上げた通り、地域ごとだった活動を統合する必要がありました。調査活動自体にもいわば統一規格が存在しない状態だったのです。たとえば漁師の網にかかったウミガメに標識がついていても、連絡先がバラバラだったりしたのですね。だから共通の連絡先を作ろうろうと。ウミガメに関してのプラットフォームの構築が必要だったのです。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

たとえば、子亀が何%孵化するとか我々は調べます。何%がちゃんとカラを割って、何%が海まで無事に辿りついて、とか。しかし、卵の中で死んでいるケースもあります。成功した孵化は、穴の中には綺麗なカラが残ります。本当に綺麗な、真っ白なチョークのような卵のカラです。そういうのを見ると最高ですね。また事務局の仕事として、各地で講演して市民や学生たちから熱い反応をもらったり、全国の亀仙人たちがつながり、さらに世代間の交流がウミガメを起点に始まったりする。そういうときが本当に嬉しいですね。

今後の夢と目標を教えてください

まず、ウミガメを安定した状態まで回復させて「レッドリスト」(絶滅のおそれのある野生生物)から外すことです。そのためには、当然産卵地としての砂浜を守るといった環境保護も必要です。また地域で活動している亀仙人たちも高齢なので、世代間交流、交代を促して、地域の亀好きを育成することも大事な目標です。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

私たちはウミガメを通じて、実に色々なことに向き合います。産卵地となる美しい砂浜など自然環境の保護、各地域でウミガメを見守る人たちとのかかわり。そこには人もあり、地域で育まれた深い文化もあります。つまりウミガメを保護するということは、自然や文化、そして人とも関わることを意味します。そうしたすべてに関わりたい方、大歓迎いたします!

取材者のコメント
加藤夏樹 実は本取材を通して、インタビューに応じてくれた会長の松沢さんがさらに深いことを話してくれた。「もう一つ、目標があるんです」と仰った中身はこうだ。もしウミガメがレッドリストから外れたら、「ウミガメ利用の議論」もできるようになりたい、と。世界には生物資源としてウミガメを利用してきた民族、文化もある。食用としていた人々もいるだろう。適切な数が増えて維持できるようになったとき、サステナブルな生物資源としての側面も議論できるようにしていたい、と。「保護」の先にある未来。松沢さんはすでに見つめていたのだ。
団体・プロジェクトの概要
代表者 松沢 慶将
住所 大阪府枚方市長尾元町5-17-18マルタビル302
TEL/FAX 072-864-0335/072-864-0535
URL http://www.umigame.org/