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NPO法人表皮水疱症友の会DebRA Japan

東京都

すべては知ることから始まる!
医師でもあまり知られていない難病への理解を求めて

団体名・プロジェクト名

NPO法人表皮水疱症友の会DebRA Japan

NPO法人表皮水疱症友の会DebRA Japanの写真

活動エリア 国内
ジャンル 医療・福祉 

主な受賞歴や実績

詳しくは、こちらをご覧ください。
http://debrajapan.com/news.html

この活動について教えて下さい

表皮水疱症とは、医師でも知らない人が多い難病です。国内の患者数が、約2000人ほどしかいないのです。指定難病のひとつ遺伝性の難治性皮膚疾患で、今現在根治する治療法はなく、ちょっとした力加減や摩擦などで、全身の皮膚や粘膜に水疱やびらん(皮膚のただれ)を生まれてから一生繰り返す病気です。皮膚のそれぞれの層を十分につなぎとめるタンパクが生まれつき欠けているため、簡単に皮膚の層がはがれやすいのです。この病のことは医師、医療業界、行政など、本来専門機関であり、まず知っておくべき方々に向けて認知、啓もう活動を展開しています。また、患者数が少ないため、子どもが表皮水疱症と診断されても、親は周囲に相談できる人とまず出会えません。だからこそ患者会としてネットワークを構築していく必要があります。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

そもそも私自身がこの病を抱える患者ですので、いかに国内で知られていないか、そのために病気と付き合うことが難しいのかよく実感しています。またこの病気は「皮膚の痛み」と戦うことになる病気なんです。たとえば皮膚のケアに使うガーゼ一つにしても、普通のものだとはがすととても痛いけど、ドレッシング材という軟膏を使わない湿潤療法に変えると痛みがとても少ないのです。そうした情報ひとつとっても、患者会を作った8年前はまったく知られていませんでした。日本の医療界は少し精神論的なところがあって、こうしたガーゼ交換の痛みのケア、QOLというのは、「痛くてもしようがない、我慢しましょう」と、後回しにされがちです。だからドレッシング材の保険支給への導入一つとっても、最初はまったく相手にされませんでした。でも、逆に「表皮水疱症に適切にケアできれば、さまざまな皮膚のトラブルに対応できる」というロジックで、患者会としての動き方も学びました。実際に。ドレッシング材=創傷被覆材の保険適用の導入は、署名活動を始めて1年足らずと早かったですね。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

この活動のために全国を飛び回っています。幸い、私には足にはあまり症状が出ていないので、だったら私から出向くほうが早い。そして同じ患者という立場で理解、共感を示せます。おかげで本当に多くの方と出会いました。またこうした病は人に知られたくないという想いが先立ち、私のところに電話一本、2年も3年も躊躇ったお母さんもいます。最初は誰もが涙、涙で始まり、最後は話せてよかったって笑って、そして患者会があって勇気をもらえたと。そう仰ってくれて私も嬉しいです。もっともっと、この病気や会の活動を広く知ってもらえるよう頑張りたいですね。

今後の夢と目標を教えてください

もっと患者のQOLを高めることに繋げていきたいです。そのために医療現場にもっと理解を広め、また今は制度的に「障がい者認定」は受けられない現状があるのですが、そういう難治性皮膚疾患のもつ日常生活の困難さを訴えていきたいです。そして一見矛盾するようですが、子どもたちは、皮膚の問題があっても普通に教育を受け、他の子と同じ経験を持てるようにしてあげたいです。皮膚が非常に弱く、「何かあったら困る」とすぐに教育現場は積極的なサポートには二の足を踏みますし、体力がなく休みがちで、見た目でいじめられると引きこもりにもなりがちです。ケアするのはほとんどが母親だけであり、閉鎖的になり、社会からも切り離されがちなんです。でも、患者とその家族のQOLを高めていくためには、もっと社会の認知やコミットこそが必要なんです。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

皮膚の病気はほとんどが見た目的にも重々しく、どうして付き合ったらいいかとまどう方も多いでしょう。でも、本当はほんのちょっと気をつけてくれるだけでいいんです。たとえ、私自身がそうであったように、遊ぶ事で傷が増えたとしても全然気にならない、普通に楽しむことができる機会を与えてあげたい。私たちは、患者と家族を支援するため、さまざまな形の活動を行っています。もっともっといろんな人と連携したいですし、できるだけ関心をもって、子どもたちと活動を楽しめる方に、参加して欲しいと思います。そして何より、まずはこの病気について知って欲しいと思います。

取材者のコメント
加藤夏樹 取材をする前に、HPを拝見して関心を覚え、その後インターネットの検索等してインタビューの準備をした。「少しでも、社会につたえる一助になれば」という気持ちで取材を申し込んだものの、話がセンシティブで、きちんとインタビューできるか不安になった。しかし、代表の宮本さんはとても朗らかで、明るくて、情熱的な方で、話していてとても安心できる方で、こちらがほっこりしてしまった。「医師にすらあまり知られていない難病」というのは確かに驚いた。そしてその病の患者さんもご家族も、想像すると察するに余りあるものがある。だからこそ、宮本さんの少しでも社会に知って欲しいという気持ちは、切実なのだと思う。そしてご自身が、この病を抱える一人であるからこそ、同じ患者さんとそのご家族への共感は本物なのだ。宮本さんのご活躍を応援したいと、心から思った。
団体・プロジェクトの概要
代表者 宮本 恵子
住所 札幌市北区北38条西5丁目1-40-803
TEL/FAX (011) 726-5170
URL http://debrajapan.com