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NPO法人 自立生活センターさっぽろ

東京都

障害をもつ方の勇気のリレー

団体名・プロジェクト名

NPO法人 自立生活センターさっぽろ

NPO法人 自立生活センターさっぽろの写真

活動エリア 北海道
ジャンル 医療・福祉 

主な受賞歴や実績

2005年 北海道まちづくり大賞受賞

活動詳細はコチラ。
http://www.jvun.org/cils/L1.html

この活動について教えて下さい

私達の活動は、障害をもっている当事者が中心となって運営をしております。会の代表や事務局長、さらに理事は、51%以上がなんらかの障害をもっている方が担っております。理由は、当事者制を確保し、障害当事者のニーズを大事にするためです。
重度の障がい者が施設や病院、親元から離れ、地域で自立生活(自らの意思で、生活や人生のすべてを選択・決定し、責任をもつ生活)をはじめるためには、社会における住居や交通、福祉サービスの充実、介助保障が重要です。
私達はそうした現状を踏まえ、①「障がい者が自立するための力を身につける支援」②「地域での自立生活を支える支援」③「住みやすい社会作りの運動」を行っています。
具体的には、①は自立生活プログラム(勉強会)とピアカウンセリング(カウンセリング)の講座を企画、開催しております。②は障がい者総合支援法に基づくヘルパー(介助者)の派遣、PA制度のサポート業務、相談対応、情報提供。③はバリアフリー情報の発信、企業等とバリアフリーの交渉、行政と福祉制度の改善を求める交渉となっております。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

当センターができたきっかけは、現理事長であり、人工呼吸器をつけ、24時間介助を必要とする佐藤が、1990年に病院を出てアパートで自立生活を始め、「ベンチレーター(人工呼吸器)使用者ネットワーク」を立ち上げたことから始まります。
当初ベンチレーター使用者を中心に情報提供や相談を始めたところ、入院中の人や施設に入所している人、または親元で暮らしている人から「自立生活をしたいけれど介助制度についてわからないから教えてほしい」「介助者をどうやってみつけていったらいいの?」「親が自立生活することに反対しているんだけど・・・」など様々な声が寄せられました。
ベンチレーター使用者だけでなく、さまざまな障害のある人の不安や悩み、そして自立生活を熱望する方たちの強い願いを聞いて、具体的なサービスや情報を提供していく必要性を感じました。
また、当時ヘルパー制度は1日2時間で週2時間しかサービスがなく、痰の吸引などの医療的ケアを受け入れてくれる事業所もなく、重度の障害者はボランティアを集め、命からがら生き抜いてきました。
そうした要因から、①自立生活を行うための情報提供や相談の対応ができ、②安定した介助者を確保・提供でき、③呼吸器をつけた人に対する医療的ケアの提供ができる介助者の育成、④チームで自立支援を行うことのできる自立生活センターを創設することになり、1996年11月に発足しました。
私達のモットーは、「障害は個性。どんなに障害が重くても地域の中へ」です。また、私達が基本にしている「自立生活」には理念があります。一般的に「自立」というと、身の回りのことはなんでも自分一人でできるようになる「身辺的・身体的自立」や、仕事をして自分で生活費を稼げるようになる「金銭的自立」をイメージするのではないでしょうか。
しかし、それでは24時間の介助が必要な重度の全身性障がい者や進行性の障害を持つ人に、「自立生活」はかなわないことになってしまします。
1950年代にアメリカで始まった自立生活運動の中で言う「自立」は少し違います。例えば、ある障がい者が自分ひとりでがんばって着替えをします。それがたとえ1時間かかったとしても、自分の力で着替えをしたので、多くの人は「自立している」と言うでしょう。しかし、毎日それを続けるとどうでしょうか。状況によっては負担になって障害が進んでしまったり、無理をすることで二次的な障害を引き起こす恐れもあります。そして、手足の動かない障がい者にとっては、一生自立ができないことになってしまいます。
自立生活運動においては、例えば着替えをする場合に、まず自分ひとりでやるのか、または介助者に手を借りるのかを「選択」します。そして、もし介助者の手を借りることを「選択」し「決定」したとします。その「決定」についてその人自身が「責任」を持ちます。
私たちはこの「自己選択」「自己決定」「自己責任」を自ら行うことが「自立」だと考えています。これなら、どんなに障害が重くても自立することは可能です。(当然、自分で着替えをしたとしてもそれは「自己選択」ですから「自立」となります。手が動かなくても、自分でできなくても「選択」する機会があることが大事なのです。)自力で着替えをするのに1時間かかる人が、介助者の手を借りて10分で着替えを済ませ、残りの50分を別の活動にあてることができれば、障害を持つ人の社会参加の可能性は格段に広がります。
私達はこのような自立観を持ち、障害を持つ人の「自立生活」をサポートしています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

私もここのセンターの支援を受けて、自立を始めた障がい者です。私は重度の筋ジストロフィーの障がい者で、自立生活をあきらめていた一人なのですが、私よりもはるかに障害の重い方が、電動車イスを走らせ、縦横無尽に行動していたり、ヘルパーの方の力を借りながらでも自分のやり方で料理をしたり、お風呂に入ったり、自分らしく、そして力強く輝いて生きている姿を見て、衝撃を受けました。
自分も自信を取り戻して、自立生活を実現し、他の障がい者のモデルになって刺激を与えられる存在になりたいと思い、関わりはじめて16年が経ちます。
私自身、自立生活を続けていく中で、仕事に関わりながら、何度か海外旅行に行くことができたり、昨年人生の伴侶を得、結婚し、今年子供が生まれ、今は育児を手伝うことにもチャレンジしている毎日で、楽しさも苦しみもひっくるめて、人生を謳歌しています。
自分が自立生活を楽しむほど、自信が得られるし、それを見せていくことで、他の障がい者にも刺激を与え、自立するきっかけを作ったり、障がい者を知らない健常者の人ともつながることで、障がい者の理解を深めることができ、時にはバリアフリーにつながることがあります。障がい者であることが、様々な形で役に立つことがとても楽しいです。
また、スタッフや会員さんにも多くの障がい者がいて、それぞれが生き生きと活動し、責任を担い、事務や営業、講師や相談員、そして管理・運営などを行います。障がい者スタッフは、もちろん皆自立生活を実現していますし、一般的な給料をもらい働いています。一般社会にはあまりない障がい者の働き方を実践し、社会の中の新たな職場の形を見せていくモデルとしての役割を果たしていることもやりがいです。
そして何より障がい者のイメージを変えていくことがとても楽しいです。障がい者は弱者で力がなく、施設でしか生きられない不幸な存在という呪縛から解放され、自分の意思で選択し、行動することで幸せな人生を送ることができる。障害があることで果たせる役割があり、決して不幸ではないということです。

今後の夢と目標を教えてください

私達は積極的に地域と関わるための様々なイベントを企画しています。(近隣の小学校で子どもたちとふれあい、障害についての理解を深めてもらったり、一般の人も対象にした講演会や学習会、レクリエーションなどを開催しています。)もちろん講演会や学習会などは、車イス席を設けたり、参加者によっては要約筆記や手話通訳者の配置等さまざまな障害に配慮をします。
日々の生活の中でさまざまな状況にある人が「ここをもっと改善してほしい」「もっとここに行きたい」と発信しています。私たちはこれらの声に敏感に反応し、その問題が改善できるよう提案し呼びかけていきたいと思います。
本格的な高齢化社会に向けて、こうした活動が高齢者のみなさんにもよきロールモデルとなり、高齢者の方々も「自分達にあったサービスを自分達で作り上げる」、「受け手」から「担い手」へとなっていける、そんな社会になることを願っています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

私達の活動は社会変革です。どんなに障害が重くても必要な助けがあれば、地域社会で暮らすことができます。そのことに賛同し、どういう形でも力になってくれる方は大歓迎です。特に自立生活を夢見ている重度の障害をもつ方(人工呼吸器をつけた方、車イスの方も歓迎です)とも交流したいです。障がい者スタッフも随時、募集中です。

取材者のコメント
古川和愛 障害をもっている方が中心となって運営しているこの団体。障がい者自身が責任を担い働く姿を見せることで、他の方々に刺激や希望を与える仕組みは素晴らしく、実際にそのモデルケースとなったお話に感銘を受けた。高齢化社会に向けてこの仕組みがよりこの国に浸透していくことを切に願う。
団体・プロジェクトの概要
代表者 佐藤 喜美代
住所 北海道札幌市白石区南郷通14丁目南2-2-1F
TEL/FAX TEL:011-867-5699 FAX:011-862-2777
お問い合せ cils@jvun.org
URL http://www.jvun.org/cils/index.html