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NPO法人TSUBASA(ツバサ)

東京都

飼い主と愛鳥が終生幸せに暮らすために「トリさんが人を選ぶ」

団体名・プロジェクト名

NPO法人TSUBASA(ツバサ)

NPO法人TSUBASA(ツバサ)の写真

活動エリア 日本国内すべて(まだ関東が中心ですが)
ジャンル その他 

主な受賞歴や実績

2014年12月 認定取得
2015年 3月 埼玉県条例指定

この活動について教えて下さい

「人・鳥・社会の幸せのために」を推進する会TSUBASA。TSUBASA(読み方:ツバサ)とは 「The Society for Unity with Birds - Adoption and Sanctuary in Asia」 (=鳥と調和のとれる社会 - アジアの里親とサンクチュアリ)の略です。様々な理由から飼い主さんと一緒に暮らすことができなくなった、インコ・オウム・フィンチを保護し、新たな里親さんを探す活動を行っています。
飼い主さんと愛鳥さんが終生、幸せに健康に暮らしてもらうために、飼い鳥の適正な飼養に関する情報の提供、学びの場を日本全国で展開しています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

もともとCAP!という「ペットショップ」を開店したのは、ペット業界を変えたいという大それた気持ちからです。しかし、何十年も旧態依然なのに、私みたいな素人に何ができるのでしょうか。実際、犬、猫などを扱ってるときにも色々やりましたが何もできませんでした。そして、あるきっかけからコンパニオンバード専門店として、TSUBASAの活動をするようになりました。その経緯を箇条書きでご説明させていただきます。
*約25年前に動物園、動物プロダクションで働いたときに、動物業界、特にペット業界に失望する
*業界を変えるために、ペット業界に参入
*犬、猫などの繁殖
*1996年12月東京池袋に「CAP!」オープン(最初は犬、猫中心)
 すでに、このときからお客様に消毒、ワクチン接種後販売、生体補償制度などを実施
*1997年12月欧米のペットショップように、犬、猫の展示販売をやめる(繁殖場で親、兄弟とともに見せてから販売)
*愛鳥マメちゃん@マメコバタンをPBFDで亡くす
*1998年5月からコンパニオンバード専門店として活動する
*飼主さん、トリさんの視点でいろいろな改善を行いました。
(例)
 ・トリさんをケージから出し、人との触れ合いを行う
 ・お客様にトリさんを触る前後に消毒をしてもらう
 ・お引き渡し前に健康診断
 ・ヒナは一人餌になるまで育てる
 ・別室で1ヶ月間の検疫
 ・その他
*しかし、問題点も多く挫折することも多かった。
(例)
 ・オカメインコのヒナが育たない。入荷してすぐ病院に行ってもそのほとんどが落鳥
 ・ヨウムのヒナのそのうが破裂
 ・海外には良いフードやグッズがあるのに日本ではどこも輸入しない
 ・あちこちで愛鳥さんが亡くなったという相談がいっぱい
  (予想以上にトリさんの置かれている環境が悪化している)
*どんなところで繁殖されてるか国内外を調査
 ・国内:かなりひどい(掃除は時々、検診もほとんどしない、勉強不足など)
 ・海外:欧米の繁殖システムは優れている。清掃、消毒は毎日、毎回実施
     東南アジアは欧米より劣るが日本よりはかなり良い
*信頼できるブリーダーを海外で捜し回り直輸入を行う
*ペレットやグッズなど、どこも輸入してくれないので直輸入する(ただし、ペレットなどは1年かけてやっと売れるようになったときに何故か他のショップも販売している。約1年の苦労が実らない、、涙)。
*トリさんを輸入する前に日本ではできない検査を実施(雌雄鑑別、PBFD、BFDなど)
*海外調査のときに鳥業界を調査(バードショップ、バードフェア、バードパーク、展示会など) 
*この頃から事情で飼い切れなくなったトリさんを次々保護するようになる(第1号がトキちゃん@オオバタン)
*1999年4月池袋での限界を感じ、現CAP!に移転
*中庭に保護したトリたちを放鳥
*玄関傍に亡くなった仔全員が入るお墓を作り、毎日供養する
*別棟AにPBFDの仔たちの隔離室を建設
*別棟Bに検疫室、クリニックを建設
*手の消毒以外に靴底の消毒も実施(入り口水洗の所にあるマットのことです)
*お引き渡しのときに直輸入の仔にはサイテスの書類のコピーを渡す
*その他

*さらに増える保護の相談

*CAP!でトリさんを仕入れし、販売することと、飼いきれなくなったトリさんを保護することでジレンマに陥る
(片方で販売、片方で保護の体制に矛盾を感じる)
* 2000年2月 問題の解決のためにアメリカで開催されたガブリエル財団の第1回シンポジュウムに参加する。ここで財団の主宰者のジュリーと出会い、いろいろ教わる
*帰国し、教わったことをアレンジし実践する
*2000年3月TSUBASA設立
*2000年8月第1回TSUBASAセミナー開催
*2001年1月ガブリエル財団のシンポジュウムに私が日本のコンパニオンバードの現状とCAP!、TSUBASAの活動を発表する
*この発表がきっかけで、CAP!獣医師(竹内)がアメリカ獣医研修(6月)
*同じく、アメリカから著名なバネッサ獣医師が自費で来日(9月)
*9月。第2回TSUBASAセミナー開催
 バネッサ獣医師にも2つの発表と3回のパネルディスカンションのパネラーと
 して活躍していただく。
 
そして、このセミナーの発表のときに、これからのCAP!、TSUBASAの今後の予定
をお知らせしました。その内容は以下の通りです。

*CAP!は11月に移転。現CAP!から約300m先(セミナー、フェスタ会場の1階)
 ただし、移転するのはフード、グッズの商品のみで、トリさんは現CAP!に居ます。トリさんの販売は年内で終了します。
 そして、現CAP!も2002年3月トリたちと共に移転します。

*TSUBASAでは、CAP!のトリたちを引き取り、千葉県房総の施設でお世話をします。
*その施設の名称は「コンパニオンアニマル・キングダム(CAK)」です。
*TSUBASAの運営費やトリたちのお世話に係る費用は今まで通り、CAP!の売上を中心に、皆様からの寄付金も使わせていただいています。
*施設の場所が決まりましたので、今後はTSUBASAをNPOにし、さらにボランティア活動を推進していきたいと考えています。

*CAKでは、愛されているにも関わらず、事情で飼えなくなったトリさんを引き取ります。そこで、一定期間の検疫を行い、心身ともにケアを行います。そして、社会性を身につけ、新たな家族が必要を思える場合は、里親さんを探します。もし、それができない仔は、CAKのサンクチュアリでお世話します。

*今までは「人がトリさんを選びました」。その「選ばれ仔」が家庭の事情や「問題行動」などで手放されました。新たな里親さんを見つけるときには、今度は「トリさんが人を選ぶ」ことを重点に置きたいと思っています。インコ、オウムは長生きです。もう2度と手放されないためにも第2の人生(鳥生)は慎重に慎重を重ねたいと思います。その仲介を行うのがTSUBASAです。そういう意味で、CAKは愛鳥家のための施設ではありません。トリさんのための施設です。バードパークでもないし、バードショップでもありません。

*TSUBASAではセミナーのように、愛鳥家の皆様に正しい知識や、新しい情報をご提供し、愛鳥家の皆様が力を合わせ、大きな波を作ることで、この業界が変わることができるのではないでしょうか。そうすることで、1羽でも多くの尊い命が救えると信じています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

さまざまな事情で引き取った鳥たちが心身共に元気になり、理解ある里親さんのもとに旅立つ(卒業)するときが寂しいですがとても嬉しいときです。
そして、いつ死んでもおかしくない悲惨な状況に置かれた鳥たちを救い出し、施設の検疫室に保護したときもとても嬉しいですね。

今後の夢と目標を教えてください

TSUBASAの目標は施設からすべての鳥がいなくなることです。とはいってもそれは難しいことですが、引き取る鳥がいなくなり、すべての飼い鳥が愛する飼い主さんや家庭のもとで末長く暮らしてほしいと思います。ただ、インコ、オウムは長寿です。犬、猫のような「終身飼養」をするためには、「命」のバトンを繋ぐという気持ちで鳥たちをお世話してほしいと思い、全国で啓発活動を推進していく所存です。
また、鳥に限らず動物が好きな子供たちを育てて行くことが重要です。しかし、子供達が最初に触れる動物はふれあい動物園やペットショップではなく、TSUBASAのような保護施設に来てほしいと思います。TSUBASAにくる子供達の「なぜ?」に対し、施設にいる鳥達の生い立ちを知らせることで、涙ぐむ子やじっと想いに耽る子がいたりします。そして、帰るときには施設の動物のお墓に立ち寄ってくれます。子供達に動物の可愛さを教えることも重要ですが、命の尊さを教えことの大事さを伝えていきたいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

昨年TSUBASAで施設の掃除等のボランティアをしてくださった方は延べ1200名様です。そしてそのほとんどがリピータとして回数を重ねてくれます。ボランティアをすることで鳥たちとそしてボランティアさん同士の交流も生まれます。また、私たちの活動がより理解され、身近に感じられるのではないでしょうか。
またTSUBASAの会員に登録されると、活動の内容を随時お知らせするメルマガや回覧板(ニュースレター)そしてセミナーなどのイベントへの優先参加や割引等の特典があります。TSUBASAは幅広く多くの方に鳥の素晴らしさを伝えるとともに、難しさも理解していただきたいと考えています。

取材者のコメント
古川勇樹 犬やネコのほどに比べ、メディアでは取り上げられることの少ない飼い鳥の保護について。長寿だからこそ、飼い主との関係性が重要であるということに初めて気付かされた。飼い主と鳥との双方が幸せになるために「トリさんが人を選ぶ」という活動は、視点として素晴らしいと感じた。「人・鳥・社会の幸せのために」熱い想いをもって活動しているからこそ、ボランティアとして携わる人が1回で終わることなく、継続的に参加し理解を深めていけるのではないだろうか。
団体・プロジェクトの概要
代表者 松本壯志
住所 埼玉県新座市中野2−2−22
TEL/FAX 048-480-6077 /048-480-6078
お問い合せ tsubasa0615@gmail.com
URL http://www.tsubasa.ne.jp